高森太郎の日記。

高森太郎の日記です。

倉田英之『R.O.D 第十巻』

R.O.D 第十巻』

著/倉田英之 イラスト/羽音たらく

発行/集英社 集英社スーパーダッシュ文庫

 東京神田神保町にある自宅「読子ビル」の屋上で、「怪奇!紙を食う女!」と化し、本代を確保するために食費を抜き困窮生活を送っていた読子(25歳女性。職業特殊工作員兼臨時教師)の元に、一つの小包が届く。「大英図書館特殊工作部」と堂々と書かれたその包みには、指令を告げるためのテレビと、食料のロリポップと、そしてセーラー服。
 そして読子は日本のとある山奥に存在する、超文系学園に“女子高生として”潜入することに。そこは、膨大な蔵書を誇る、本によって学ぶ、まさに読子にとって桃源郷に等しき学園だった……!

 倉田英之最新刊。R.O.D最新刊にして、外伝であります。2004年7月スーパーダッシュ文庫新刊、読了。

 え〜今回は、本文中にて倉田氏が語っているように、虚構(書いている作品)と現実(倉田英之氏のデスマーチ)の間をまさに行き来する……斬新と言えば斬新、というかこんな書き方を許せるぐらい筆力と勢いがあるからこそできる力業的な……なんつーか大暴走ってかんじであります。

 サブタイトルと言うか、本編タイトルが「R.O.D 一〇記念なのに外伝」ですし、いきなり倉田氏の現実をファンに突きつける(ぉぃ まえがきではない本文から始まります。

 そしてストーリーは、読子(25歳女性)が大英図書館のジョーカーからの命を受けて女子高生となってセーラー服を着て女子学園に潜入して、書泉(かく いずみ)というルームメイトに出逢い、そして三省洞(みつせい うつお)、そして國屋紀伊(くにや きの)の二人と本をめぐってバトル(戦いではない)を繰り広げていくストーリーであります。

 以下ネタバレ含む。

 そして物語は、あとがきすらのみこんで、どこまでが本当でどこまでが嘘か分からんような混沌とした感覚になっていくのですが(ちょっとおおげさ そのあとのエピローグでなんかとんでもないことになってますが。というか再登場希望。彼女、気に入りました。
なんというか……読子と良い好敵手と言うか。
 また、本文内の活字中毒の描写にあんまり笑いもしなければ引きもせず、うなづいた自分はダメですか?(ぉぃ

 なんというか全体的に暴走ですな(笑 自己パロディー作品とも言えるかも。

評価は10中8 笑った笑った。戦う読子さんも好きですが、のほほんとした読子さんも大好きです。外伝も平行して出してくれるとうれし〜な。