高森太郎の日記。

高森太郎の日記です。

ぺとぺとさん

 ぺとぺとさん
 著/木村航 イラスト/YUG
 発行/エンターブレイン ファミ通文庫
 (ISBN:4757717474)(高森太郎書店では『注目の新刊』のコーナーに。)

 なんか普段拝見させていただいているサイトで、立て続けに紹介されていて、さらに、イラスト、あの「わたおに」のひとかぁ、とか、ぺとぺとさん、っていうこのなんともいえない語感にさそわれて購入。読んでみたらなんだかほんわか〜。いいかも〜。

 寛容にちょっとわけアリの妖怪も受け入れている鮎川町にある、中学校、大曲垣峠中等教育総合校、通称マガ校は、当然妖怪と人間が一緒にいたりする。 そんなマガ校に一人の少女が転向した来た。彼女はいとしいものに触れあった肌が、「ぺと」っとくつうちてしまう「ぺとぺとさん」の鳩子は、ある日、プールの授業で、プールに落ちるところをクラスメイトのシンゴに助けられたときに、「ぺとって」しまう。眠ればはずれるのだけれど……?

 かっぱ、とか、ぬりかべ、とか、あかなめとかかわいー感じの妖怪が出てくる学園小説。

 なんか、かわい〜かんじの妖怪の子たちがたくさん登場するちょっとかわったとある学校の物語。だけど、不思議な感じだけど、ほんわかーっていうのがいい。かわいい妖怪たちの日常。だけど、日常ってそのなかに、すこし、どきどきするようなことがあって、それがすっごく丁寧に書かれている。そして、それにこっちも萌えーっていうか、どきどきしたりとか、うは〜

 そして、妖怪がいるって言うと、なんだ?ってかんじだけれど、ちゃんと中学生の学校の学園モノを正面からちゃんとおもしろいっていうのもいい。

 以下ネタバレ含む。

 けっこうこうやって、「あ〜XXくん 〜 なんだ〜」とか何気ないことで、ちょっと地味な人がかこまれるとか、なにかピンチになって、そんとき助けたら、なかよくなった、とか、そういうのって普通にあって、それがなんともいえないかんじなんですよ〜。自分なんか、ちょっとまぶしいくらい。
 そして、「シンゴラーメンの匂いだっ」とか、そういうちょっとした感じがなんかすごい日常てきなリアリティーがあって、もう、うは〜。

 書き方が、すごく会話の連続がおおくて、ちょっと気をつけないとおいていかれてしまう感じなので、こういう感じのを読みなれていないとちょと分かりにくいというか、読みにくいかもしれませんが、だけど大丈夫!、キャラクターの個性はしっかり立っている感じですし、巻頭にキャラクター総覧がちゃんとあります。

 イラストはYUG氏。かなり話題になった「週間わたしのおにいちゃん」とかのイラストを書いているそうで……すっごく融合度が高いというか、同時に作られた漢字。二つでひとつ。みたいな。そして、すっごくレベルが高い!ふんわかしているのに、しっかりしている、見たいな。
 巻頭に導入ストーリーのショートマンガも。

評価は10中7.5。ぜひとも続き希望! 彼らのその後が気になるというか、なんかこう、「あずまんが」に通じる続きの読みたさがあります。