高森太郎の日記。

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ガンズ・ハート 〜 硝煙の誇り

 ガンズ・ハート 〜 硝煙の誇り
 著/鷹見一幸 イラスト/青色古都
 発行/メディアワークス 電撃文庫
 (ISBN:484022580X)(高森太郎書店では『注目の新刊』のコーナーに)


 1月発売電撃文庫、3冊目読了。


 町の不良たちを纏め上げていた、ケリンは、町に、いかにもおのぼりさん、という感じの田舎の少女が、町のろくでなし上級士族たちに、危うくだまされかけるのを助ける。が、案の定乱闘。いつの間にか話がこじれにこじれて、町を二分する大きな争いに。最終的についた落としどころは、軍人であるケリンの父親が免職になる代わりに、なんとケリンが百人隊長に大出世!?
 しかし、配属された先は、辺境の、荒くれものの掃き溜めと化していた、悪名高い「暴発事故多発」の銃士隊。ケリンは、自分のやり方を通し、あっという間に部隊を改革していくが、その影で、世界に大きな災厄がせまっていた……。

 戦記ものというより、冒険ものに近い感じかな。一人の少年によって救われる世界。というか。舞台は、かつての大崩壊と呼ばれる出来事のために、近代技術が禁じられた世界。そして、技術の進歩さえ教会と呼ばれる存在に禁じられた世界です。そして、来るべき猛獣の暴走「スタンピート」が迫る……。
 しかし、その割にはそれほど深刻じゃなくって、主人公たちはひたすら前向き前向き。持ち前のエネルギーで、いろいろ切り抜けていく。その感じが良い。

 鷹見一幸氏は、「時空のクロスロード」で始めて知って……正直、言いますと、この種の強烈なアイデアでデビューした作家はあんまり後が続かないと思っていました(汗 ですが、「でたまか」といい、ライトノベル以外でも活躍なさっているようですが、その本。ですけど、やっぱりところどころ鷹見氏らしさが。途中の「暴れ馬と仲良くする方法」のあたりとか。 すごくいい感じ。

 以下、ネタバレ含む


 つーか、やっぱり食べ物の描写がすごく細かい。無いようなものでも良いものを食えば、って言うのは……やっぱり鷹見氏は鷹見氏ですな。
 しかし、先にけんかしてその後いいものを食わせる、って思いっきり餌付けじゃないか(笑)

 イラストは、青色古都氏。私青色古都氏は初めて知ったのですが、この世界観になかなかあっている感じ。ミントはとりあえずかわいいですし。

 評価は10中7。続編「硝煙の女神」が発売予告されています。楽しみに待つことにします。