高森太郎の日記。

高森太郎の日記です。

IBM パソコン部門売却へ。

 各所より、というか一般紙の一面に出たというだけ非常に大きなニュースですが、IBMがパソコン部門を売却するそうである。
 ここで間違えちゃいけないのが、売却したのは「パソコン」つまり「パーソナルコンピュータ」部門であり、これは非常に高度なワークステーションや、サーバ、メーンフレーム(汎用コンピュータ、という非常に簡単に言うとサーバの親玉、スーパーコンピュータの従妹ぐらいのもの)などのエンタープライズ、つまり企業向けのシステムなどからは撤退することではないということ。
 どっかの某ニュースで「IBMのコンピュータ部門を中国が買収」などという全く的外れ案事を言っていたことがあったが、それは間違いである。

 で、この理由と言うのが、今まで以上にエンタープライズ方面に特化するということである。つまり、切り捨てたということだ。そして、ここで注目したいのが、IBMは中国のパソコンメーカーに売却したが、そこは日本のNEC東芝、松下、富士通などといった、モロにIBMとの競合相手ではないところに売却したというところだろうか。
 自分はあまり詳しくないのでアレなのだけれど、件の企業はどちらかと言うとDELLに近いような、専業コンピュータのハードウエアメーカーと言う感じである。

 え?それを行ったらNECとかもそうでしょう、といわれそうだけれど、上に上げた数社は、思いっきりシステムインテグレータ、簡単に言うと企業から「こういうシステムを作りたいのだが」と打診を受けたり「業務を改善したい」といわれた場合に、そのシステムの構築を総合的に請け負うことなのだが、ここら辺の事業をやっており、これがここから先、IBMが、パソコンのハードウエア販売に代わり「将来性がある」とみなして、戦略的に力を入れていく分野とかぶるのである。つまり競合するのだ。そこに売るわけは無いとも思える。って、前HDD分野を富士通に売り渡したことがあるが、今回はそれ以上だし。


 また、IBMが「コンピュータ市場は家電化する」といっているのも、もはやいろいろ常識であったりする。これって「テレビにパソコンがはいってパソコンがなくなる」と言う良くある論議ではなく、パソコンはだれでも持つものになり、品質などとは別の競争を強いられ、さらに値段も下がる割りに成長が見込めない、という点はもう動かしがたい部分だったりする。
 さらに、今以上にパソコンは「端末化」するだろうと予測する。すべてサーバにデータを置いて、あくまでもコンピュータは端末としてそれにアクセスする。逆に、コンピュータが家庭内でサーバとして役割を果たすようになり家電がつながるだろうという予測もあるが、しかしそれはこれ以上の発展をもたらすものだろうか、という疑問がある。
 なので、これからコンピュータの市場は、今までのような派って版は望めない、もしくは過激な競争のわりに発展しないだろう、またはエンタープライズの分野にのみ特化したほうがそれより発展が望め、そしてその片手間にはハードウエア事業はできなくなり、特化したのだろう。


 なので、NHKのニュースでその売却先の企業の人が「蛇が象を飲み込むようなもの」と表現していたが、どちらかと言うと「蜥蜴の尻尾を巣に運ぶあり」といったほうがニュアンス的には近い。と自分は思う。また、「ブランドを買った」というわけじゃない。これって要するにOEMってことでは? 違う?


 で、そこら辺をおいておいて……自分としてはちょっと哀しい。
 てかいつか、いつかIBMThinkPadを買ってやろうと思っていたのに……(涙)
 あああ。結構憧れだったのになぁ……。