高森太郎の日記。

高森太郎の日記です。

山本弘『トンデモ本? 違う、SFだ!』

トンデモ本? 違う、SFだ!』

著/山本弘 

発行/洋泉社

 そもそもSFの定義と言うものは明確なものが無い中で、「SFの本質はバカである」として、18世紀のSFから、近年の作品まで、理屈ぬきに「なにがおもしろいか」をつづったSF入門書。
 なんというか、SF好きのおっさんが(失礼!)近所の最近SFにはまりつつある近所の高校生に、最後にとどめをさすために語っていると言う雰囲気のある本であります。

 いくつかの年代、セクション、作家に分けた中から、なぜこれがすきか、そしてこれはどんなにバカでSFか、ということを、具体的な作品を挙げて、そのあらすじを通して熱く語っております。ただし、そこに良く分からないSF設定のどうのとか、そういう硬い話は一切無い。非常に肩の力のぬけている、本当に同好のともに「これおもしろいんだぜ」みたいな。

 また、自分はライトノベル者でありますので、古典的SFはあんまりしらないんですが、紹介している作品はメジャーな作品ではなく、筆者の山本氏が好きな、どっちかっていうとマイナーな作品を……いや、まいじゃーって言うほうがあってるかもしれない。この場合。さらにそれの語り口が非常におもしろくって、読み物としても非常に面白い。読めば読むほど「あ〜読んでみたい」と言う本がたくさん出てくるわけであります。というか十冊ぐらいもうたまっていて……どうも翻訳SFって苦手意識があったんだけれど、かなり読んでみたい作品がでてきましたな。


 そして!その中で、1990年代から2000年代の場所で高畑京一郎タイムリープ あしたはきのう』や野尻抱介『ふわふわの泉』古橋秀之サムライ・レンズマン』さらに谷川流涼宮ハルヒの憂鬱』なども紹介されておりまして、これは……うわ〜というかんじであります。特にタイムリープの紹介などは…なんと言っていいものやら(^^;)すげえなぁ。


評価は10中8.5。SFに興味を持った人などには無条件におっすうめしてみる。SF観が結構変わるかも。