富田浩史『KURAU Phantom Memory(1) Phase1 Children of the Quatum』
『KURAU Phantom Memory(1) Phase1 Children of the Quatum』
著/ 本文イラスト/ 表紙・口絵イラスト/
発行/メディアファクトリー MF文庫J
(ISBN:4840111332)(bookグループキーワード:KURAU Phantom Memory)
そしてある以来から戻った日、胸から光があふれ……そしてそれは一人の少女の形を取る。それは12歳のクラウそっくりな少女。彼女は少女に「クリスマス」と名づけ、そしてその少女に愛情を感じ、そしてともに暮らす。しかし、彼女に追っ手がかかる……。
同名のアニメーションの小説版、MF文庫J8月新刊。 ……といいつつ、自分はアニメはみたことがないわけですが。近未来アクションです。
主人公の女性は、幼い頃に自分の元となった少女にエネルギーが触れて出来た人ならざる者。しかし、その中には天箕クラウの記憶が残っている……。そしてそこに、分裂した自分の片方が、自分の中から出てきます。それはずっと探していたもので……そしてなんかやたらと過保護に、妹?な少女を守りながら、暮らすことを決意し、すこしずつ変わっていきます。そして、二人はお互いにひきつけあい……。
ぶっちゃけ自分はアニメは見たことがありません。一切知りませんでした。というか見れるわけねえわけであります。我が家には田舎でテレビ朝日なんてみれるわけがないですし、CSもありません。まだDVDは発売になってませんし……。さらにこの「KURAU」の存在を知ったのは、この小説がMF文庫Jの新刊として発売予定にのってから知ったという……。というわけでアニメがどうの、ということではなく、純粋に小説として読んだのですが……これ、おもしろい。小説としてかなり面白いかも。
まず、月面に作られた巨大粒子加速器の事故で変わってしまった少女……そして少女を愛する父親と研究者の間で苦しむ父親。その葛藤。もともとアニメも小説に向けられるストーリーをたくさん含んでいたのででしょう。しかし、ちゃんと小説になってまして……自分は本当にアニメのほうしらないのでわからないといえばそうなのですが、原作つき小説を読んだときによくある「原作ファンへの妙な媚」*1がなくって、自分は小説としておもしろかった。
とりあえず、小説ならではの部分も結構あるんじゃないかな〜というか地の文がなんとも。あまりあからさまに心理描写をしているかんじじゃないけれど伝わってくると言うか、ダークな感じがいい。さらに、これ(1)となっているおかげか、編につめこんでなくって……。
以下ネタバレ含む。
イラストは尾崎智美氏という原作のキャラクターデザインの方が表紙口絵イラスト……ですが、口絵のイラストは思いっきり使いまわしだし(公式サイト にあります)キャラクター紹介はセルを切り取った、シャギーが出ているものでして。表紙イラストは……。
が、本文イラストは「嘘シリーズ」のtoi8氏であります。こっちはすごくいい! 自分はいっそのこと全部toi8氏が書かれたほうが良かったのではなどと思ってみたり(ぉ ファンとしてはそう思ってしまったり。
評価は10中8。(1)となってますし、絶対続編はでるでしょう! 待ちます!