高森太郎の日記。

高森太郎の日記です。

森薫『エマ ヴィクトリアンガイド』

エマヴィクトリアンガイド (Beam comix)

『エマ ヴィクトリアンガイド』

著/森薫>

発行/エンターブレイン ビームコミックス

 産業革命後、19世紀のイギリスを舞台にした、メイドと若い主人の禁じられた恋……な漫画『エマ』の副読本……の形を取った19世紀の『使用人』という方向から見た入門ガイドブックであります。 って、もちろんエマの副読本としてしっかり出来た上で、『使用人』という視点からみた、エマの舞台になっている世界についての解説があります。

 さらに、書き下ろしマンガと森薫氏の創作ノートのラフ画集も収録されております。そのほかに、書き下ろしイラストももちろんありますし、森薫氏と竹本泉氏対談、さらには、19世紀イギリスを扱った小説などの紹介コーナーも! 950円はちいと高いな……と思ったけど、こりゃあこれぐらいするわな。後ろに乗っている参考文献の量なんかかなり膨大ですし。
 イラストは森薫氏がかかれておりまして、文章を執筆なさったのは村上リコ氏というライターさんであります。

 エマには待っている人にはとりあえずおすすめですね、エマ本編だときっちり雰囲気を大切になさっていて、一切無粋な説明はいれていなくって、それが非常にいいんですけど、少し分からない部分も出てきます。そういうのって調べても分からなかったりするんですけど、そういうのが全部乗っています。副読本といっても設定資料集や無意味な記事がのっているわけではないです。これはいい。
 また、こういう世界に興味がある人も入門としていいと思います。やっぱりこれ、カバーを取った表紙なんかで置いてあったら普通にビクトリア朝のイギリスに関する入門書籍としてもけっこういいかも。

 自分は……P154のスカートがなびいているエマさんが特に良いなぁ、と思ったり。