高森太郎の日記。

高森太郎の日記です。

笹本祐一『ARIEL読本』

『ARIEL読本』

著/笹本祐一 イラスト/鈴木雅久

発行/朝日ソノラマ

 笹本祐一の代表作にして、ライトなSFの走り?ともいわれるARIEL。20巻、全53話で見事完結した『ARIEL』シリーズですが、その設定や裏話、インタビュー、さらには短編を載せた本であります。

 短編は『謎の実験艦船』であり、完全新作書き下ろし。

 地球での作戦を終え、ハウザーは畏怖の対象である姉「ダイねえちゃん」、そして現在はオーナーでもあるダイアナをオフィスリムゲートへと向かう。そこには失踪していたゲドー社の社長もおり、そしてそこでオルクスの代替になる艦を選定せよと言われる。 シモーヌとともに見て回るハウザーだったが、芳しい結果が得られず、範囲を広げて……と話をしていたところに、ダイアナから妖しい話が……。ハウザーは嫌な予感がしつつも指示に従うが……

 いっつものエリアルです。女難の相がでている優秀ながら苦労性のハウザー艦長が中心で、そのほかの地球側(?)は出てこないけれど。そして……なんか物語が途中でぶっつり終わってますよ!? 続きを執筆なさる予定ということでしょう、きっと。

 さらにこのほか、文庫に収録されていない作品三作品、「MIA捜索指令」「和美の一番長い日」、雑誌復刻と言う形で「イドの中の怪物」も収録し、さらにアニメの脚本家・笹本祐一による原稿も収録。

 また、格話の解説がかなり事細かに載っております。自分なぞは楽しんで読んでいたけれど「これきっと元ねたあるんだだろうけれど分からんな〜」と言う部分が補完され、さらにいっそう楽しめる感じであります。

 さらに、笹本祐一によるイラストレータ鈴木雅久の濃いインタビューに、エリアルコミックなどに参加した人、笹本祐一、ARIELに関係の深い人物からのコメント、とどめに昔カセットテープで出たエリアルのドラマ『野良宇宙艦の恐怖」をCD化して収録している。


 なんというか著者によるファンのための本でありまして、とにかく濃い。とりあえず20巻まで読破したファンならとりあえず買っておけという代物であります。そして、その格話のコメントを見ているとなんかその話がおもいうかんできてなんとも読みたくなってくるわけでありまして。

 と言うわけで突然ですが自分の好きなARIELの、本編に直接絡んでこない話TOP3!

  1. 「第14話 決算大戦略 ――受験生の逆襲――」
  2. 「第11話 続・タイムトラブラー」
  3. 「第28話 女子高生の危険な温泉旅行」

 といいつつ順不同。さらにぱっと思いついたのだけなのだけれど、この三つはなんか妙に印象にのこっているんだよなぁ。特に受験生の逆襲は、あの「にょきにょき」が……。

 また、朝日ソノラマのサイトで、ARIEL読本発売記念 「ARIEL Q&A」が公開されております。以前募集していたもののようで、しっかりと答えています。
 番外編の続きは、けっこう読めそうな気がする。というわけで、出ることを信じて待つことにします。