高森太郎の日記。

高森太郎の日記です。

山の峠をドライブ。

 今日、学校で補講が終わったのが12時。学校を出たのが12時20分くらいだったのだが……ここでなんとなく思いつく。学校の近くの国道を行ったところから、奥に入ったところに110円でコーラのロング缶がいつでも買える自販機があったよなぁ。買いに行こう。とかささやく内なる声が。


 そして、ドライブに出かけたのだった。


 ゆらーっと坂をあがり、行く。新緑の季節にはまだちょっと早いけれど、日の日差しはなかなかいいし、10分ほど離れた自販機に到着して買った後も、なんとなくふらーっとさらに坂を上り、国道に出ると、その国道を、山のほうへと南下していった。

 普段行かない市の端を越え、山間の村を越え、温泉郷を超え、国道はだんだんと坂になっていく。山の道になり、さらに上る。

 今日日あんまり見ない「ヘアピンカーブ」や、山の谷にかかる橋2本に、3つのトンネル。そして、峠につく、コンクリートの、トンネル上になった囲い「スノーシェルター」の、標高1200メートル近い峠を越えて、さらに下る。

 この国道は、県境を、峠を越えて行く道である。 同じように県境を越える高速道路は、超えるために掘られた長い長いトンネルが、危険物を搭載した車の通行を禁止しているため、ガソリンのタンクローリーや、全くの無地に「危」マークだけ、といういったいになにを積んでいるんだ、という車がたくさん通る。
 もちろん、その高速道路ができるまで、県境を越える唯一の道だった。また、近隣の人々にとっては重要な生活道路でもある。 そして、高い標高を利用して作られたスキー場や、休みを利用して観光にでかける車も多い。


 山が重なるように、先が見えない。しかし、すーっと登っていく道がある。緑、緑、山、山、トンネル、トンネル。そんなものばかりの道。自分は目の前にいつも山、山を見て感動する人が良く分からない、という、山国生まれ山国育ちの人間だけれど、そんな自分でも、走っているとなかなか気分がいい。山も、奥に行くにしたがって、植林され整然と並ぶ杉よりも、人が植えたものではない落葉樹が目立つようになる。人の手があまり入っていない山なのだろう。しかし、ここに道を通した人はえらいな〜とか思う。もともと昔からある街道のルートを今はこの国道は走っている。今は、谷の上を。昔は、川沿い、谷のそこを通る道。そして、今も、峠を越えるまでは、延々25キロほど続く長い長い上り坂。ふたつ峠を越えると、今度はずーっと下っていく。
 こんな山奥だけれど、山奥だからこそ、重要なルートでもある。高速道路が止まったとき、この道が無ければ、町は南の方面に抜けられなくなるし、こういう山の中でも、人は住む。なので、孤立してしまう。しかし、発展した平地に作るより、道路を作る純粋な建築費は高いだろう。道は、二車線道路。そして、右は山、左は谷。それゆえに、厳重に補強されたガードレールが続く。また、途中に国土交通省の除雪ステーションがある。ここら辺はそれほど豪雪地帯というわけではないのだが、しかしここではすでに民間業者委託では対応できないほど山の中なのだ。


 そして、下りの、それこそ天空にかかるような高さにある三連橋を超え、下ると、とりあえずの目的地の道の駅に到着する。 山間にある、川辺の、前洪水で流されかかった(ぉ 道の駅。美しいシチュエーションで、ツーリングのハーレーなごっつい集団とか、春休み家族旅行な人々とか……。うわ、地元ナンバーの自分のほうが浮いている?というような状況に。缶コーヒーを買って、ぼんやりしてから、小用を済まし、引き返す。



 帰りも同じ道なのだが、帰りはほとんどガソリンが減らないくらい下りっぱなし。行きは20キロぐらいのぼりで、5キロくらいくだりだったが、今度は逆。 前を行く、エンジンブレーキの使い方が下手、ぐーっと坂のままに下り、カーブでブレーキを使い過剰に原則、そしてふたたびぐーっと坂のままに下る、と繰り返す、というかいい加減にしねえとブレーキ焼けるぞ、といいたくなる車があり、少々ひやひやしたり。 なんといっても、とんでもないながさの下り坂で、自分のスターレットで、三速でエンジンブレーキをしても、平気で80キロ以上速度が出てしまうような場所だ、そして、その区間中に「ブレーキ故障車緊急避難場所」「↑ブレーキ故障者ここに入れ」という場所が二箇所(一箇所は砂の山、もう一箇所はかなりの急勾配の上り坂の先に、水の入ったタンクが置いてある)あったりとか。 その車とは車間を取りつつ、そして、何気に自分は山道になれているのだなぁ、と実感する。まぁ、この土地で山道が苦手だと生きていけませんが。いやでも得意になる。


 で、その後、本屋により、家に買える。家に帰ったのが、結局4時という……。だけど、たまにこういう風に無意味にドライブをしてみるのも楽し。
 そして、今日は、免許とってから、一人では、一番遠い外出、一番長い運転だったかもしれない。