私のファルコン(1)〜(5)
私のファルコン(1)〜(5)
著・夏見正隆 イラスト・中嶋敦子
発行・朝日ソノラマ ソノラマ文庫
(高森太郎書店ではこちら。)
この間、まいじゃー推進委員会様で11月21日付けで紹介されていて、気になって買った本である。
アイドルから女優に転校した主人公、水無月忍は、活躍し始めたが、最近、自分だけができる仕事、というものが何か、と考えていた。
睦月里緒菜は、短大の卒業を控え、スチュワーデスになる夢を持ち就職活動をしていたが、しかし、それが、頓挫。もうどうでもいいや、と自暴自棄になっていた。
そんな時、街中を飛ぶジェット戦闘機を二人は目撃する。とんでもない速度で、すさまじい音を立てて高層ビルの谷間を抜けるその戦闘機のパイロットは、女性だった。
二人は、帝国海軍の兵士募集のポスターの前で出会う。そして、二人は、成り行きで、飛行幹部候補生の試験をうける。
もちろん、だめもとで、そんな高度な試験は落ちるだろうと言う感じだったが、なぜか二人は身体検査などもすっとばして合格してしまう。
しかし、その影には、大きな事件が――。
ぶっちゃけ、圧縮して書く作家なら、5巻までを1巻で済ましてしまうようなストーリーでした。が、そうじゃない、そうじゃないんだよ、この小説のおもしろさは。
まず、女の子はかわいい。
作家の趣味丸出し。登場人物はみ〜んな、1995年ごろにはやったアイドルだの、女優だのをもじっていて、実際にある歌をいくつも使っていて、(ほんの最後に日本音楽著作権協会の認証が入っている)さらに戦闘機の描写が妙にリアル。
1巻を読んだときは、もう、戦闘機とアイドルがすきなのは分かったから、その1995年のアイドルなんていうのを良く知らない自分としては、ちょっと……と言う感じだったのだが、2巻に行くと、もう、その時代のトレンディードラマがSFだったら、という感じで、結構軽いのりでさくさく楽しめます。
また、リアルと言う感じではありません。これをSFといったら、昔からの硬派なSF好きの方々の中では怒り出すようなものかも。なのでSF設定を目当てに読むとちょっとあれかもしれませんが、けっこう自分は楽しめました。
女の子はかわいいです。
これを、今のアイドルに当てはめるとどうなるんだろう……。
イラストは、「逮捕しちゃうぞ」などのキャラクターデザインで有名な中嶋敦子さん。1巻から3巻までの表紙イラストは、手書きのすごくいいかんじですごくいい。ただ、ちょっと中身のイラストがすくなくて、ほしいところに無い気がするのと、4巻と5巻の表紙絵がなぜかセルワークになってしまっているのが残念ででした。
イラストの女の子もかわいい。(<しつこい)
評価は、10中6、プラスティックケースに入れて保存。そして、整理のとき見つけて、突然読みたくなるタイプ。
1995年ごろのアイドルなどが分かる方が読めば結構また違った楽しみ方ができるんじゃないでしょうか。