高森太郎の日記。

高森太郎の日記です。

ライトノベルの「初心者向け」企画って

 先日の平和さまによるあなたが初心者に勧める一冊は?のまとめに対して、


 ふと考えてみたら、人に本を薦めるのに「初心者に」なんて言葉が出てくるのは、ライトノベルだけじゃないかと思います。SFやミステリなら自分の好きな作家、作品をガンガン薦めちゃうのに、ライトノベルだけ妙に気を使うのっておかしくない?

後日追記 URL壊れてました。修正いたしました。m(_ _)m

 というお話を、Angel Heart Clubのよしりんさまがなさっていらっしゃいました。

 そういわれるとそうか……といいつつ、google:初心者 ブックガイドとかやると簡単に出てきたりとか、検索でけっこうざくざく出てくるので実はそうでもなかったりしますが、さて、ここら辺から元の話からは関係がなくなっていくわけですが、 なぜライトノベルが初心者向けの企画を出すか、ということを考えてみると……。


 誤解を招く表現ではあるのですが、ライトノベル自体が多くの場合、「ライトノベル初心者」であると同時に「活字初心者」が始めて手に取るジャンルじゃないからではないか、などと思う。


 自分の周りの極小さな経験だけで恐縮でありますが、自分の周りだと活字を読むようになったのって、ライトノベルがすごく多いような気がする。それまではマンガ、だけど本といえばなんか難しいイメージがあって(というかここら辺はいい司書さんに接する機会がなかったりして、一時期多かった「読書強制」主義なんてので若干トラウマがあるんじゃないかと思いますが)、だけどある日好きなアニメの小説版が出たとか、読んでいたマンガが実はライトノベルが原作だったとか、そんなきっかけで手にとって「なんだ、本って気楽に読んでいいんだ」と気付く、それがライトノベルだったりすることって、現代結構多いんじゃないかと思うんでありますよ。

 また、同時にライトノベルって今まで、一部の購買層が買い支えていた部分があるのは間違いがなくって……近年の大量に新人を登場させて、読者に選択させる、なんて手法はそれをわかっていてあえて読む人がいなければ無理ですし。


 さらに第三に、最近はなんか色々と各社参入して、今までの「マンガ・アニメからのライトノベル入門」といった王道だけではなくなってきたという事情もあります。つまりすでに本の楽しみを知っている人が「ライトノベルって最近耳にするけど何?」とやってみるのも出てきたと。



 ここら辺を考えると、やっぱりその……ファンが出入りしやすいジャンルだとおもうんでありますよ。ここに初心者向けの話が非常に重要になる。

 そしてご存知のとおり、ライトノベルってひとくくりにするには大変難しい、ジャンルといえば確かにジャンル。だけど、ミステリとか推理小説とかそういうジャンルとはちょっとちがう、さらに各社自社レーベルでの作家の囲い込みが激しく独自色が強く交流が少ないとくれば、見通しがきかないってんで、やっぱり別に初心者じゃないけれど、だけれど他のレーベルの事はわからない、といって初心者企画が必要になるんじゃないだろうか。

 などと、いつまでも初心を忘れずにいられるジャンル、いつでも新鮮でいられるジャンル、っていうのもかかわっている気がする。


 後なんとなくだけど、ライトノベル読みをやっていると「ライトノベルで言いのない?」と聞かれることって多いんじゃないかとおもうんでありますよ。それもライトノベルを読んでいない人から。正確に言うと一冊とか手にとって読んでみていて、それがよかったというので次を求めるといったことって多いような。なんでだろ。やっぱりあれかな、装丁も独特だし、一線を突破*1しがたいジャンルといえるかもとおもうわけでありまして。

 などとぐだぐだ考える夜更け。
<追記>平和さまもすでににコメントされてました。そして、そこのコメント欄の話も非常に興味深い。なるほど……。

*1:かっこよく言うとブレイクスルー