高森太郎の日記。

高森太郎の日記です。

ドンキホーテの人間が記者会見場にいたことで批判と、記者限定の記者会見。

 ドンキホーテで火事があったそうな。と言う話は、あのあたりかなりの割合で放火した野郎が悪いわけで、もちろん消防法に違反しまくっているのは問題で、あと少々行動がアレである(先走ってFAX流したり)というのがあるが、まるで加害者のごとくなぜあそこまで集中的にドンキホーテが叩かれているのかわからん、というのがあるが*1、それはまた別の話として、(ドンキホーテの行動などとは関係なく)自分がなんとなく疑問に思うのがひとつ。

 ドンキホーテの社員の人間が、消防局の記者会見場にいたことについて、マスコミ各社が集中的に非難をしていることである。これの意味がわからん。
 とりあえず、ドンキホーテの人間が、一番最初に「この中にいますか」と聞かれたときなぜ声を上げなかったのかというのはまずいとおもうが、しかし悪かったのはこの一点だけだったのではないかという気もしなくも無い。そのあと、ノートを破らせてまでおいていかせるとか、身体検査のような真似をさせると言うのはどうかと思う。一体何の権限があってやっているのか。それを強制し、それを行わない場合そこから出さないなどとした場合、立派な器物損壊や脅迫になるのではないか。というのは言い過ぎにしても、なぜ、記者会見はマスコミだけしか入れないのか、と言うことはどうなっているのだろうか。

 そして、それらを一方的な言い分だけを乗せて報道すると言うのもどうよと。

 ここからは、今回のことにとはちょっと離れる。他のことも含めてちょっと違和感を感じたことを書くのだけれど。

 まず、マスコミ、および消防局側の言い分として、とりあえず今朝の「とくダネ!」で

  • あの記者会見には、記者のみと言う前提になり他の人間はシャットアウトしている。
  • 記者会見では、記者側と、警察や消防局側の人間との間で信頼にもとづく紳士協定があり、それに基づいてまだ未確認の情報をオフレコとして流すことがある。もしここに外部の人間がいた場合、その情報が漏洩する可能性がある。

 よって、「常識知らずである」という結論になっていた。なんか、「そういう常識があるにもかかわらず、消防局側はわざわざ確認をとってまでしたのにその場にいたのがけしからん」と言うような論調である。

 とりあえずそのことを言っていたおっさんが非常に感情的に話していて失笑ものだったという話はおいといて(ぉぃ

 が、自分が疑問に思うのがいくつか。

  • それは狭い範囲での「常識」ではないのか?
  • 記者と記者でないものとの境目は何?
  • 報道とは、選ばれたマスコミおよび記者のみに許されることなのか?
  • 捜査上知りえた未確認の情報をたかが「紳士協定」ごとき拘束力の無いものをで日常的に漏洩していると言うのは問題があるのでは?

 ということである。

記者と記者でないものとの境と、知る権利

 まず、狭い範囲の常識ではないかと言う疑問。さらにそれに続く二つ「記者と記者でないものとの境目」と「報道とはマスコミのみに許されることか」と言う疑問。

 とりあえずこれって、外から見ると本当に村社会と言うか、その中での常識を振りかざしているようにしか見えないんだけれど純粋に。さらに、ここらへんを良く考えると、すでにかなり報道される情報と言うのは偏っていると言うことになりはしないか。
 つまり、たくさんの報道機関があるが、それらはひとつのグループを構成していて、その中のルールに従うことによって情報を得ていると言うことは、そのルールに反することは暗黙的に報道されないということになってしまうのではないか。

 ここらへんは、以前長野県の田中康夫知事が県政の記者クラブを廃止し、記者会見場にだれでも来ることが出来るように変えようとしたとき、マスコミ各社が猛反発したときに感じた違和感に良く似ている。なんかそのときの反応はなんか非常にヒステリックなもので、ちょっと不気味だったのを覚えている。
 ちなみにそのときの田中知事の趣旨だが

  • 記者会見が記者クラブ主宰となっていると、記者クラブに所属したものしか入れないとなっているのはおかしいのではないか。
  • 記者クラブは新聞社などに所属している記者のみに限定され、フリーランスの記者など新しい記者が入りにくい環境になっている。(日本新聞協会加盟社とこれに準ずる報道機関のみ)
  • 記者クラブは、県庁に部屋を設けているが、そこは県民の共有財産であり、そこを限られた者たちが独占的に使用すると言うのはおかしい。

 というような感じだったと記憶している。
 これに対して当時の記者クラブ側の主張は

  • 知る権利をもつ県民に伝えるために、記者が記者室を使うのは当然の権利である。
  • 記者が主宰しているからこれだけの回数の記者会見ができているのであって、県政側はそれだけのことができるのか。

 などなどだったが……。これってつまり記者クラブに所属していない記者は記者ではないというようなものではないか、と思った。*2
 なんていうか、普段あまり自らの意見を出さないNHKですら、ちょっと苦言のような明らかに偏った発言をしていたりして、また田中知事側を「すでにうまく動いているにもかかわらず、それを破壊するとはなにごとか」と言うような雰囲気で、なぜそれを問題視しているかと言うことに対して何もは話が出ていなかったのが奇妙なくらい各社足並みがそろっていて不思議だったくらいである。

 で、その後日本新聞協会が、記者クラブに関するあたらしい見解を出しているが……。

 これに照らして考えると「国民の知る権利に応える〜」とあるが、ここらへん、じゃあ記者会見場でおこなわれていることを国民は知る権利があるのではないか?

紳士協定って何?癒着とどう違う?それに基づくって漏洩では?


 それから、次。まぁ……上の見出しは少々煽りすぎとしても(汗
 「捜査上知りえた未確認の情報をたかが「紳士協定」ごとき拘束力の無いものをで日常的に漏洩していると言うのは問題があるのでは?」について。
 とりあえず、これは、大規模な報道機関ばかりが集まっている記者会見で、記者に限定して発表することに意味があるのかと言う疑問もあるが、しかしこれは……。

  • 未確認情報として報道機関に出す情報は、記者側は一切それを外部に漏らさないと証明できるのか。
  • 外にだせない情報を報道機関が知りえたとして、それが一体何のメリットになるのか? もし、それに基づいて行動したりした場合、報道機関をウォッチしていれば、情報の大まかな部分はわかってしまうのではないか?心当たりのある人、ならば。
  • そもそも未確認で職務上知りえた情報を報道機関にのみ流すこと自体問題ではないのか?(報道機関に法的な守秘義務などがあるとは思えないので漏洩といってよいと思う)
  • 未確認としながらも確定している情報だから流すのであると言った場合、もう人手間かけて確認情報にしてから流すべきである。

 ということに発展する。てか、報道しないでほしいとして出さなければならない情報を、法的拘束力もなしにリークするというのは、たとえばその情報が完全に間違いだった場合などを考えるとあまり良くない気がする。
 逆に法的拘束力を持たせると、今度は「報道の自由の侵害だ」と言い出すのだろうが、しかしへたをすればプライバシーになるわけだし、また当事者を排除して、未確認であり外に出すなと念を押さねばならぬようなことを、一部の人間にのみ流すと言った行為はどうなんだろうとも思える。
 自分の所から出しても良い程度のものならもっと広く公開するべきだし、そうでないのならば、一切だ無いようにしなければ、被害者はもちろん、加害者だって人権はあるわけだし、状況によってはつまらないことになる。いや、今回のことではなくて。

そして、何を思うかと言うと。

 てか、自分は「XXXについては報道機関はわざと報道していないのだ!!!」というような話は、ちょっとそれは……と引くタイプ。平たく言うと「根拠は?」と聞きたくなるようなタイプだが、今回はちょっとそれと違って、やっぱり報道は偏っているのかも、とか思いたくなる。

 とりあえず、記者会見場に記者のみを入れる、と言うのはいろいろな場面でしょうがないにしても、そこで機密みたいにしてやるとか、癒着とも取れる「紳士協定」みたいなわけのわからないものを持ち出してやるとか、そういうことはどうかなぁ、と思うのである。
 これって、言い方は悪いが、良くある「我々は国民の知る権利に応えるための代表だ」と言うおごりと、「我々は選ばれた人間である」という選民意識ではないか。
 以前、外務官僚がどうの、というのにマスコミが報道したことに、こんな感じなことを言っていたと記憶している。
「彼らは、天皇に任命された天皇の代理という意識があるんですよ。そして外国に出向いてその国の首脳陣と話をしていれば、自分は選ばれているんだと言う驕りがでてきてこういうことになる。」
 これをこう置き換えられないだろうか。
「彼らは、国民の知る権利に応えるための国民の代理と言う意識があるんですよ。そして省庁や機関、事件の最前線に立ってその当事者を問い詰めたり、その長たちと話をしたりして、自らの書いたものがメディアにのって流れれば、自分が選ばれているんだという驕りがでてきてこういうことになる。」

 まぁ、いろいろあおりすぎですか(汗 どうしても我慢できなかったのでいろいろぐだぐだ。 まぁ、素人の雑感でいろいろと意味不明ですが、こういうことを書きなぐれる環境があるのはいろいろとすばらしいというか。

*1:ただ叩きやすいから叩いているだけだろうが。犯人が、というよりわかりやすいし。これって「泥棒にあうのはお前が隙があったから」だというぐらいにはくだらないと思うが。なにがって、分離してかんがえねばならないところを一緒にしているところでもうすでにどうかと思う。

*2:今回の話とは別なのであまり書いてもあれだが、この記者クラブ側が主宰する記者会見は、どうも新聞の記事締め切りに間に合うようにだかしらないが、議会がどうなっていようと完全に定時におこなわれるもので、記者側は知事が議会が延長され遅れたとき「なぜ遅れたのか」と抗議した、ということがあったらしい。別に記者会見のために議会をやっているわけではないと思うのだけれど……。けれどこのことってあまり報道されなかったんだよなぁ……。