JASRCが、CCCDの廃止の流れに牽制?
INTERNET Watch記事「JASRAC、CCCD廃止の流れに疑問を提示〜船村徹会長ら新役員が会見」という記事を読んで……。
なんというか……前よりエスカレートしてないかこれ(汗
とりあえず切り出してみる。
- ファイル交換ソフトなどによる違法コピーへの対応を強化
- PCでの複製やiPodなどHDDプレーヤーへの転送など、現行法で想定していない利用を想定した私的録音補償金制度の見直しも
- 著作権保護期間をベルヌ条約で規定された最低水準の死後50年から欧米で一般的な水準である70年に延長するなど、著作権法改正に向けて取り組む
- 海賊版が多く出回っているアジア地域における著作権管理の強化
- 国内のダンス教室におけるCDの無許諾利用をなくす活動にも注力
- 音楽の利用手続きを簡便化するために利用申請システムについて、使用許諾から使用量の徴収、分配の全般にわたる電子化を推進
- ファイル交換ソフトなどを利用した違法コピーについて
- PCなどの汎用機器やHDD内蔵型の携帯プレーヤーへの補償金制度の適用について、「制度の見直しを関係権利者と一致して要求している」
- データ用のCD-Rやそれに関連する機器も含めて法改正による対応を求めていく
- (注釈:CCCD廃止の流れに対し)JASRACではそうは思っていない
- 違法コピー対策の有効な手段として、JASRACでもすでに2000年から実証実験を行なっている“ウォーターマーク(電子透かし)”を紹介した。
(以上、上記記事より部分引用)
う〜ん、どうつっこんだらいいものやら……。やっぱりエスカレートしているよなぁ。
まず、とりあえずPC向けのCD-RやHDDなどにも私的複製保証金を求める、というのはとりあえずこれは……何を考えてるんだろう。 というかそもそも私的複製保証金自体、それが正統であるということに疑問である自分としては、なに考えてんだとしか……これってようするに、音楽をダウンロードした場合二重取りになるわけだよなぁ。いいかげん、器でしかないメディアに対して換金するのはやめてほしい。
そんなふうになったら、大量のストレージを管理しているところなんかものすごくでているわけで……正直、PC=不正コピー製造機というもので頭が凝り固まっているとしか思えない。……もしこれが、容量によって換金しましょう、ということになったら、バックアップ用のテープメディアなども対象になってしまうわけだし、ちょっと面倒だ。もしくは、ここらへんを「家庭用」ということで、あの、リサイクルマークのように区切るという方法も無くは無いが……こうするとあれだ、家庭ユーザはすべて悪ということか。う〜ん、なというか、工業用アルコールに酒税をかけるようなものだと思うんだけれど。
あとは著作権保護期間の延長……わざわざ日本も某ねずみに対応してやる必要は無いと思うというか……これって、創作してから50年ではなく、死後50年だろうが。これですら長いという意見があるのに、伸ばしてどうするんだと。
伸ばすにしたら、生前、著作権者が、自分の死後の著作権保護機関を自由に設定できるようにするというのはどうだろうか。 遺族がなんと言おうが、本人が「わしが死んだらすべてパブリック!」とか言い出したらすべて著作権が消滅するとして、著作人格権に組み込むとか。まぁ各所の法律があるんでしょうが……。しかし伸ばすのはなぁ。
それからプロバイダーの協会と合同で違法ファイル交換を停止するように〜、というのも、てか、これはJASRAQより、プロバイダーのほうがおかしいだろう。自分もクノーピクスとか新版がでたらダウンロードしたりするが、そういう時ってかなりの時間帯域を占有する。んだが、いくらベストエフォートで、論理値とはいえ、媒体としてその回線を提供しておきながら、それがたくさん使われると「共通の問題」ってのはどうよ。そして、自分のところの利益が出るコンテンツ配信はOK。しかし、よそのプロバイダーがやる合法のコンテンツ配信は回線に負荷がかかるので制限、なんて、そんな理論にすらなりかねない。そんなのがまかり通ってたまるか。
そして、記事表題にもなっているCCCDについてのことだが……、これは単純に、最前線で音楽というものを販売しているところが、ようやく(個人的にはかなり遅かったと思うが)気づいた、ということにほかならず……なにをしようとするんだろう。まぁ、しかし、ここでCCCDを復活しろ、というのではなく、電子透かしの方向で、というのは非常に有益だと思うが……しかし電子透かしの危険性って、解析されたら一発であろうということ(検出できるということは、まず入っているのだろう)あとは音質「入っていると聞くと、それだけで音質が落ちているような気がする」という方面は、技術的にはまず解決不可能なので、そのあたりをどうするかだ。
だが、今のあまり良くないCMSにくらべればよいと思う。別に合法に使う分にはな〜んにもこまらないし。もちろん、この電子透かしを入れる以上のCMSは使用しない、という条件でだけれど。
さらに、文言の中で、「関係者の間で一致している」とあるが、その関係者には消費者は含まれていない模様。なんだかなぁ……。
と、素人がつれづれと雑感。
片方の利益のみを代表するのに、まるで公的機関のように振舞うのは、やっぱりどうかしている。日本音楽著作権協会、という名前から誤解を生む、けしからんな。ここはぜひ、社団法人格も抜いて、どうせやっていることは農協などとあんまり大差ないんだから(ぉ 「日本音楽著作料収納組合」とするとか(ぉぃ
まぁ、そこまでは言い過ぎにしても、著作権収入によってやっている組合としての「社団法人、日本音楽著作権協会」と、管理業務、収納業務をおこなう、会社のような形をとるものと、分離したほうがいい気がするんだよなぁ。徹底的に。ページの関連団体のところに「文化庁」がど〜んとあったりと、どうもこう、自分たちを正当化して、JASRAQが著作権“法”を管理するところです、というふうに誤解させるように誘っている気がする。