高森太郎の日記。

高森太郎の日記です。

一色銀河『想いはいつも線香花火』

想いはいつも線香花火

著/一色銀河 イラスト/ゆい

発行/メディアワークス 電撃文庫

 優夜は、炎使いの速霊流宗家に生まれたが、炎術が使えない落ちこぼれ。 しかもエロいことばかり考えている高校生。 宗家に生まれながらも、能力がないために里から追い出された彼が送り込まれたのは、以前より速霊流とは対立していた中でもある御火布津流の、三人姉妹の社だった!
 一見天国なそこは、長女と三女は乱暴者で野郎である優夜。二女は優しくしてくれるが……。 そしてそんななかでも修行を続ける優夜だったが、ある日京都から一人の男がやってくる。そして、彼は……

 『若草野球部狂奏曲』シリーズの一色銀河、やっと出た最新刊。10月発売の電撃文庫新刊。 ラブコメです。

 お話は、特別な能力で、夜の世界から強大な能力が低く里から追い出されてしまった主人公が、今度は同じような能力を持つが、違う流派を組む者達の元へ修行に出されるところから始まります。しかしそこは、三姉妹だけで暮らしているすこし奥にある社。そして、やっぱり例によってはじめから印象最悪の出会い方をしてしまうと。
 そして、ちょっとヤンキー入っているがそれなりに頼りになる長女と、そして優しい次女、そしてその次女と双子であるが、性格は正反対で簡単に手も出る脚もでる、矢もでる、な三女であります。

 そこかしこに、あ〜一色銀河だ〜と言う感じがあります。特に最後。はじめと途中はちょっとだれますし、先頭の描写もちょっとだれるかな〜(^^;)と言う感じでありますが。それは、物語が完全に主人公の視点、というより主人公が語るだけですので、そのあえてそうしているんだと思いますが、どうも自分の読み方だと思考の描写がノイズになっちゃって読みにくくって、視点じゃなくて主人公の思考から語る感じなので、状況が分かりにくすぎるのが……なんていうか途中で物語りに入り損ねるとちょっととちゅうでよみにくくなっちゃうかな〜というか。特に戦いのシーンは、戦いの流れから読んでいってもちょっと自分じゃあんまりすっと読めませんでした(汗
 そしてその……ちょっとえらそうなことを書くと、物語は何の説明もなく叩き込まれますが、それだけの説得力がない(学校も学校、山が山、人物が人物の名前でしか書いてなかったりして、なのにいきなり舞台になったりする)のでちょっとそこらへんはじっくりこちらで書いてないところまでがんばって想像力を働かせないときついです(汗 そしてとちゅうで急に設定の説明に入りますが、それが物語の中で浮いているのでちょっと理解しにくいかも(汗

 ですが! 最後のほうのなんというかな、お互いに素直じゃないふたりが、なんともうわ〜とじれったくなるようなシーンは、やっぱり一色銀河が帰ってきたんだな〜と思います。そして、戦いの方針がは、サラダオイルの例えなどは、一色銀河氏だと思えます。そして、難しい戦いで、いろいろなんか人外な能力がでてくるけれど、ちょっと反則くさいけれど、知恵で戦うのなんかいい感じです。

 なんというか……今後に期待かな〜というところです。それはイラストレータも含めて……イラストレータは現役の高校生だそうですので、成長に期待というか、味はあって、なんともいえないふんわりとしたふんいきがあるのですが、しかし描き分けてください(汗 なにって、人物から背景からいろいろ
(汗
……絵のセンスというか、雰囲気は好きなんですが口絵のあたの、過剰じゃない主人公の顔とか。別に某書のように挿絵がないものとして読んだほうが読みやすいというものじゃないんですが。

評価は10中6 ……うーんと、あんまり自分が読みきれてない可能性が高いのであんまりアレですが……今後に期待、です。