高森太郎の日記。

高森太郎の日記です。

柴村仁『我が家のお稲荷さま。(3)』

我が家のお稲荷さま。(3)』

著/柴村仁 イラスト/放電映像

発行/メディアワークス 電撃文庫

 秋。高上兄弟の兄、昇が通う赤城高校の文化祭。 そこには仕事でこれなかった父以外の、高上家の面々と、その守女、いつもの巫女服姿のコウ……そしてなぜかセーラー服姿の女「クーちゃん」こと、空幻狐。と。 そこで、透は、不思議なシスターに出会う。そして、クーも、数百年ぶりに同じ天狐、銀狐の玉耀と出会い、そしてそこで妙な話を聞く。鬼が妙な動きを見せているというのだ。 その数日後、10月に入ったある日“クロネコ便”が一つの重い荷物を届ける。そのダンボールの中には……全身を呪布で拘束された一人の少女が

 日常に、妖怪、な、『我が家のお稲荷さま。』三冊目。10月発売の電撃文庫新刊。個人的には一押しシリーズで、待望……というほど前から時間はたってませんが、新刊です!

 今回は、第三者の存在がでてきます。いままでは単発というかんじのエピソードですが、今回からはちょっと続きそうな雰囲気。ストーリーとしては一つのエピソードになってます。そして、もう一人天狐が登場して、さらに拝一刀(暫定名)も出てますのでなんとなく狐度二割増しくらいでありまして。そして、あたらしい存在として「鬼」がでてきます。そして……。


 全体的にやっぱり、今までどおりなんというかほのぼの〜であります。日常の一部と言うか、普通に家族。そしてなんか自然〜。日常と人の知らない世界を行き来してどうの、というより、雨のち妖怪、みたいなかんじで普通に日記に書くような事柄のような、現実から剥離していない感じがいい。

 なんというかみょうにほっこりできるのですよ。それこそ、結構アクションとかあるわけですが、そこらへんがなんか「喧嘩っ早いがいざと言うとき頼りになるクーちゃん」というような手軽な、ちょっとどうしょうもないお姉、兄、と言う雰囲気がなんともいい感じなのであります。今回は、なんというかな、とちゅうでぽろ、ぽろぽろ、と出てくるところ(後半でクーちゃんが言った「ねだって買ってもらえるんだが」というセリフとか)がいいかんじなのでありますよ。

 以下ネタバレ含む。

 今回は鬼が出ててきます。そして、そこになぜかこう、イラストがあるおねいさんがいらっさるんですが、その後出てくるんでしょうか、ちょっといいなぁあって思ってみたり。てか、中拍子も彼女では?それから……なんというか過去と言うか、思い出のようなもの出てきて……どうつながっていくんでしょうか。
 あと、文化祭のあれは笑った。 だけど逆らわないあたり、やっぱりこの物語での最強キャラは透だと確信してみたり。

 イラストは、放電映像氏。というか今回はなんか明らかにイラストの枚数が多かったような。自分は放電映像氏のファンなので多くてもよいのですけど、なんというか多すぎと言うほどあります。
 そして……裏表紙のクロネコ便は……なんというか素敵に不気味〜。というかあんなもの来たら逃げますな(笑

評価は10中8.5。ほっこりできる、アクションもある小説ってめずらしい。 安心できる感じ。おすすめです!