平坂読『ホーンテッド!』
十年以上の付き合いの中、殺気すら覚える瞳をもつボーイッシュな幼なじみに、むんず、と腕をつかまれて屋上に連行された裕紀をまっていたのは、その幼なじみからの「好きです!」という告白だった。
実はうすうす感づいていた裕紀は、「ちょっと考えさせてくれ」。すると、彼女は妙に晴れやかな顔で「待ってる」と走り去っていった。
そして屋上から彼女を見る裕紀、彼女は、グランドを越えて、校門をこえて、無理な左折をしてきたトラックに、
実はうすうす感づいていた裕紀は、「ちょっと考えさせてくれ」。すると、彼女は妙に晴れやかな顔で「待ってる」と走り去っていった。
そして屋上から彼女を見る裕紀、彼女は、グランドを越えて、校門をこえて、無理な左折をしてきたトラックに、
裏表紙のあらすじによると「アンチ・正統派ラブコメディ(?)!」だそうであります。第〇回MF文庫Jライトノベル新人賞優秀賞受賞作品、9月発売のMF文庫Jの新刊。
えっと、どちらかたというと少々ひねくれ、そして自分が一番普通だと思っているが本人もかなり変わってて、基本嘘つき寝言、と言う感じの主人公と、なんというかはっちゃけた、変わったという言葉につきる登場人物……たとえば超人だったり、自殺志願者の超霊感不思議少女だったり……そして幽霊だったりする人々との物語であります。
基本コメディ、というか「アンチ・正統派」のラブコメディと言う感じで、まぁまさしくけっこうラブコメディ。設定はあちこち見も蓋もないんだけど、だけど、そのなんというかなー、それをそれだけにほっといてないので、結構読むときにそこら辺の知識があれば、ちょっとずしりと響く部分もあるかもしれない。
自分は、やっぱりそのヒロインとかじゃなくって、ブーメランばばあがなかなかいいキャラしているな〜というかあの理不尽さがいいかもとか。
以下ネタバレ含む。
また、文章としては結構特殊で、なんというかな、文庫のページを、文章としてとらえているのではなく、画面としてとらえて文字を大きくする、位置をずらす、会場をきる、などの手法を多用しています。これだめな人は要注意です。
評価は10中7。今後に期待。