高森太郎の日記。

高森太郎の日記です。

コピーコントロールCDと新しいメディア

 最近、あのavexがCCCDについて、採用を弾力化するという発表があり、さらにSMEが全廃する方向で検討に入ったと言うニュースが相次いで流れた。

 そして、同時にやっぱりスラッシュドットジャパンでもストーリーになったりして、いろいろと興味深い話が。
 まぁなによりめでたい。というかやっと正常な方向になってきていると思う。

 ぶっちゃけ、我が家のCD-ROMドライブも普通に読めてしまうらしい。ドライブが壊れると怖いし、幸いにして自分の好きなアーティストの方々はCCCDでCDを出すことをしていないので試さざるをえないと言うことにはめぐっていないが、今そこら辺に売っているドライブは大抵CCCDが普通に読めるらしく、それがすでに有名無実化しているらしい。というか、あれはつまり、エラーを人工的に作りだしてそれを応用した技術でありますので、それは今までと同じように「ある一定種読めないCDがあるが、それが含んでいるエラーを回避する」みたいなもので、今までのドライブの品質向上と同じような技術で実現できるわけで、破られて当然だった。
 自分の経験だが、昔のコンピュータで少々あやしい激安CD-R(30枚入りスピンドルで千円切ってた(汗))で焼いて、読めなかったCDが最近出てきたので、新しいコンピュータのCD-ROMドライブに入れたら、ちょっとがんばってましたが読めたとか、やっぱりかなり読み込み精度の面でも上がっているなと思うわけで、その技術の延長線上でしょう。

 って、ここらへんだと、ちょっと一般の雑誌で光学ドライブの記事を読んだことがある人ならちょっと想像力を働かせれば考え付く話だとおもう。


 そして、そのほかに、最近のめざましいHDDプレーやの類や、シリコンオーディオプレーヤの類。値段にすれば、とりあえず一万円台でも変える激安なものも出ている時代……なんだけど、これってMP3オーディオが出た頃、普通のパソコンだと、5分の音楽を圧縮するのに10分とかかかっていた時代でも、もうだいぶ使い込んだノートパソコンに音楽をたくさん詰め込んで、ポータブルオーディオプレーヤーにしていた人なんかを考えれば当然の流れに思える。だって、こっちのほうが断然らくちんだし、それに良い音楽は自宅で聴くもので、外の騒音が多い場所で高音質、といってもたかが知れているわけで、圧縮したオーディオで十分。
 また、CDを入れ替え中に事故が、と言うようなことはわりとどこにでもある話で、モバイルオーディオでいかにしてメディアを入れ替えずに音楽を聴くか、と言うのは重要だったわけである。だから、たくさん入るこれは結構便利。


 だから、なんでavexはそんなことに気付かなかったんだろうと思うわけである。アホだ。こんなことちょっとかんがえれば分かりそうなものなのに。こっちのほうが便利、だったらそっちに流れるだろう。そして、時代のながれはそちらで、多用なメディアが出てきているのに、それをただヒステリックに過渡期的で実はそれほど影響が無いはずの違法音楽配信だけのためにその新しい可能性を積もうなんていうのは……どうもいまいち認識が甘いとしか言いようが無い。だから正常に戻ったのである。





 さて、ここまで読んで、ちょっと違和感を覚えた方。たぶんあなたは一般的です。上の分はかなりわざと偏らせて書いてます。何を偏らせているかと言うと、コンピュータを良く使う、活用している人間、もっといえば技術者の見方に。「ちょっと考えれば分かる」とか「前からこれが正常だったと思っていたのだが」とかっていうのは、普通わかるというが、はっきり行って普通じゃない。



 というわけでここからが雑感なんだけれど、今回のことって、実はCCCD推進派の人たちは、コンピュータをつかったオーディオの可能性を、わかっていなかったのではないかと思う。
 え、そんなことありえるのかよ、といわれれば、はっきり行って根拠は無いけど、そんな気がするのである。それがあの温度差につながっているのではないかと。

 あ〜なんか美味くいえませんが。


 たとえば、新技術がでてくる。で、新しい物好きの人たちがわっと群がる。すると、まだそれを使うにはたくさんのステップが必用で、またまだシステムのパワーが足りなくて、5分の音楽を圧縮するのに10分とかそれ以上かかかるとか、そんなかんじだったけれど、その可能性についてなんかいろいろ考えて、そして、新しい物好きでいろいろ伝播していくのが好きな連中がどんどん「こういうのがあるぜ」と伝播する。また、新しい物好きの人で、技術がある人々は仕様にしたがってソフトをつくったりする。そして、新しいものが出来る。

 それを一部の人たちがどんどん使い始めるんだけれど、それって一見してちょっと立派なスピーカーがついている普通のコンピュータだったりするだけで、外見的にはあまりピンとこないし、使うには受動的ではなく能動的でなければならない。というか興味がなきゃ使わない。

 で、その興味は、今までの人生で培われてきた「新しい物好き」みたいな特性か、もしくは身近なひとが使い始める、現実的に触れられるようになるまでである。

 そして、その段階で負の面……負の可能性、ある意味脱法行為としてP2Pソフトが悪用されてしまい、そしてこれについても同じ事で、その技術についての詳細と言うか、詳細といってもプロトコルではなく、雑誌に書いてある程度の技術的解説が分かる人は「ということは違法意外にもこういうことが」と思いつく方向に行く。が、そうではないひとは得体の知れない、昔の小説によくあった「困ったときのインターネット*1」の世界のような不気味で正体をつかみかねるもの(なにしろ、しらべれば妙で覚えにくい数字とアルファベットの組み合わせの圧縮言語の暗号のつまった呪文の連なるもに当たるのである)である。なので、アレルギーが発病し、そこで美味い具合に取り込もうとした技術者が加わってこういうことになったのではないかと推測する。


 って、まったく根拠がありません(汗 というかてめえいったい何が言いたいんだよ、っていうような事なのでありますが……。


 要するにこの一言でまとめられてしまう。「HDDプレーヤーの影響力を無視できなくなった」ということなんでありますが。……だけど、こういうところに、もうちょっと、ユーザの反発とかじゃなくって、コンテンツの流通や、これからの当たらし物好きの人たちが突撃して撃沈していく玉石混交のなかから玉を見つけ出して、それについて語れる人がいなかったのかなぁと思う。そうすれば、あんな明らかにみっともない言い訳をする必要はなかったわけで。

 まぁ、結果論に過ぎないのですが。

*1:たとえば、主人公がなにか壁に当たって調べなければいけないときに「インターネットで調べた」とすれば解決するとか、インターネットからハッキングした、とかそういうノリ