小川一水『導きの星(4) 出会いの銀河』
『導きの星(4) 出会いの銀河』
著/ 表紙口絵イラスト/ 挿絵イラスト/
発行/角川春樹事務所 ハルキ文庫ヌーヴェルSFシリーズ
(ISBN:4758430799)(bookグループキーワード:導きの星)
今回は、三巻で噴出した問題が、収束していきます。なんというか「これはいったい……」と思っていたことのかなりの部分が収束して行きます。そして……。
いや、さすがに最終巻でありまして、密度の高い物語。そして、今までの巻にくらべて、巻のなかで流れる時間が短いです。そして、じっくりと、人類と、そして人類が導いてきた生物達との大きな転機が描かれます。
なんというか……読んでいって、なんかクライマックスは、ぞくぞくしました。なんというか……あれが世界の行く末か。と。
そして、その後車を運転しながら、ふと思ったりします。「もしかしたら、この地球も導きの星が」とか。そこまでは考えすぎとしても……以下、ネタバレ含む、その1。
そして! やっぱり魅力的なキャラクター達です。登場し、司とともにオセアノを導いていく三人のアンドロイド・目的人格たち。『アルミティ』『バーニー』『コレクタ』たちですが……なんだかいい娘たちでありまして……それぞれ個性が強くって、だけどどこか統一した感じがあって……バーニーは生存担当の目的人格で、戦い、生存をつかさどります。好戦的であります。そしてコレクタは科学担当。冷静……冷淡ともいえる冷静さと正確さを追求します。そして、アルミティ。彼女は経済担当。経済をつかさどり、そして三人の目的人格をまとめるような存在であります。一見一番普通ですが、結構暴走するかも……。 読み始めた頃は普通だったんですけど……読んでいく上での彼女達の成長が。そしてそれぞれ……いいなぁ。と。
そして! 時を越えていく司たちの前に現れる、オセアノ人の、右耳の折れた女性……。彼女はどの時代でもキーになっていくのですが、その彼女達がまたいいかんじなのであります。ところどころで青春してます。
以下ネタバレ含む2
そしてイラスト。四巻の口絵にあるキャラクターファイルのチキがなんともわ〜〜〜かあ〜い〜。というかんじなのであります。そこら辺が本文のところどころにある描写や話とともに、なんとも不思議な感覚に。それがさいごに「ああ」となんとも不思議な感覚が。
そして……やっぱりこれを読んだ後に、空を見上げて、やっぱりちょっともしかしたら……という感覚にひたってみるのもいいかも。
評価は10中8.5 意外と読む人を選ぶかもしれません。このボリュームですから。ですが、おすすめです!
かなり著者氏があとがきで『導きの星のBGMは 』といってましたが、自分ちょうどこの曲が入ったCDを聞きながら読んでました。読みながら「うわ〜あいすぎ」とか思ったり。