高森太郎の日記。

高森太郎の日記です。

壁井ユカコ『キーリ (5) はじまりは白日の庭(上)』

『キーリ (5) はじまりは白日の庭(上)』

著/壁井ユカコ イラスト/イラストレーション田上俊介

発行/メディアワークス 電撃文庫

 不死人が出たといううわさを聞き、キーリとハーヴェイ、兵長は、ウエスタベリへとやってくる。殖民際で騒がしい待ちで、ハーヴェイの旧知の興行団にお世話になりながらベアトリクスを探すが、しかしハーヴェイはいつも一人で行ってしまうためにキーリはいつも留守番をすることに。その町で、キーリは、身近な人々の過去に触れることになる……。

 壁井ユカコ『キーリ』シリーズ最新刊。 今回はウエスタベリと言う街が舞台の「はじまりは白日の庭」の上編です。7月発売電撃文庫新刊。

 今回は、著者氏もあとがきで言っていますが「過去編」です。そして、物語は短編連作形式で進んでいくスタイルはそのままですが、しかしこれは……巻の一番最後に収録されている「始まりは白日の庭。終わらない夜の迷宮」にすべてつながっていきます。


 しかし……キーリ成長したな〜というかんじであります。16歳のキーリ。なんか前よりいろいろなところで考えて行動するように、そして他者のことを考えることが出来るようになって来た感じ。だけど、ものをまっすぐみようとする姿勢は変わっていないって言うか、やっぱりいい娘ですよ。と言う感じで。

 以下ネタバレ含む。

 ハーヴェイが「最近なんか立場が変わってきている感じがするが」と言っていたが、まさにそういう感じでありまして。つーかむしろキーリがいないとハーヴェイもうだめだろうという気すらしますな。

 そして……本の表紙を見たときの第一印象というか違和感ですが……なるほどこういうことになっていたのか。

 帯の文字も、なにもかも、読み終わった後にすべてかちり、とパズルがはまる感じです。そして……きれいに下巻に渡しています。9月発売予定がされています。たのしみに待ちつつ。

評価は10中8。