高森太郎の日記。

高森太郎の日記です。

木村航『さよなら、ぺとぺとさん』

 『さよなら、ぺとぺとさん』(bookグループキーワード:さよなら、ぺとぺとさん
著/木村航 イラスト/YUG
発行/エンターブレイン ファミ通文庫
ISBN:4757719000)(高森太郎書店では『新刊読了!』のコーナーに。)

 妹率100%の街、鮎川町で「末恐ろしい七歳児」のちょちょ丸が立ち上げたプロジェクトで、コンパニオンとなったぺと子と他の妹たちはなんだかんだ言って忙しく、終わりも近い夏休みを過ごしている。そして、ちょちょ丸がはじめた新しいプロジェクトとともに、ぺと子は……

「かわいい溶解と人間のほのぼのな話」な『ぺとぺとさん』の続編……にして「さよなら、」と冠している……さよならなんて……。

 やっぱり今作品の自分の魅力は、「いとおしいものにぺとってしまう」というような、ふわんとした雰囲気と、なんかくすぐったい感じはもうしっかりとあります。今回はなつやすみで、学校での日常なのがちょっとへっちゃったのは残念だけれど、今回は、そのかわり夏休みでしか会えないことがたくさん。アルバイトにコンパニオンにマスコミを引き連れて突っ走ったり、一日兄妹だったり。


 そして、ちょっとえらそうなことを書きます。
 前、読んだときに、ちょっと全体として起こっている出来事が同時進行過ぎて、ちょっと付いていくのが大変だ、という印象を受けたんだけれど(なんといっても登場するキャラクターが多くって、それがそれぞれ魅力的なキャラクターだから)、今回は、なんか前よりもしっかりまとまっていて、面白かった。
 やっぱり、話が動きすぎていてつらい、っていうのも有るかもしれないけど、そういったどたばたな感じが、やっぱりこの話の持ち味で、リアリティ……というのとは違うかな、なんともいえない雰囲気をだいしていていい。
 さらに、前は「イラストにあわせすぎっていうかやっぱりイラストが主?」と思えてしまう部分があったけれど、今回は小説がおもしろい。前よりより小説らしくなったかんじです。確実に、前より読みやすいし。

 以下、ネタバレ含む


 まず!「妹天国」は笑った。帯に書いてあって「……なんだこの表紙の雰囲気とミスマッチなのは」と思ったのだけれど、これか〜。なんか、これが自分的にはリアルに近未来を感じられてなんかすげ。
 ぺと子萌〜。はもちろんなんだけれど……ぐぐるちゃん、かっこよすぎ〜! というか、なんかすごくその陰で泣いてそう……。そして、カンナちゃんのその後が気になる……。

 そして……何がいいたいかというと、「さよなら編」ではあるけど、続くと信じておりますと言うか作家氏もばりばり続けるようですし。

評価は10中8。続きを待つ。 というか出ない理由が内規がするんだけどなぁ……。