森薫『エマ (1)〜(4)』
著/森薫(漫画)
発行/エンターブレイン ビームコミックス
- (1)(ISBN:4757709722)
- (2)(ISBN:4757713126)
- (3)(ISBN:4757716427)
- (4)(ISBN:475771887X)
メイドと、商家に生まれた青年との身分を越えた恋……。時代の変わり目にいるメイドさん。
うは〜! とごろごろしながら読みました。正統派の、本物のメイドを本気で描いてあり、そしてそこから、恋……へと発展していく。時代は産業革命後のイギリス。イギリスは「世界の工場」として発展していく直前の時代でしょうか。まだ手工業だった時代でしょう。
そのようなノスタルジーな世界を丁寧に描き、そして正面からメイドさんを描いているのです。あれですよいわゆる「萌える」系のデフォルメメイドさんじゃなくて、正統派メイドさん。
また、その時代を、じっくりと時間をかけて描いているのもすばらしい。むやみにシーンを圧縮しようとしない、また、なんかその時代に浸れる感じだ。そして、その時代を感じながら読めると言うか……ちょっと思いをはせてみたりする。もっというと、ちょっとこの時代に興味を持ってみたり。このころってあれだよな……きっと、映像の20世紀とかで、世界で一番初めの動画フィルムとして公開された「工場の風景」でしたっけ、アレみたいな感じなんだろうなと思う。
さらにサブキャラクターたちもなんか、よくいうひとにが言えば「そこにいる必然性がない」とか言い出すんだろうけれど、しかし別にストーリーに絡んでも無くたっていい、そんなサブキャラクターたちがたくさんいて、それがすごくいい味を出している。
以下ネタバレ含む
評価は10中8.5。副読本もどうにかして手に入れる予定。
それからあんまり関係ないかもしれませんが……なんとなくエマさんを見ると……ヨコハマ買い出し紀行のアルファさんを思い浮かべるのは何でだろう。あんまり関係ないのに。似てもいないし……。