高森太郎の日記。

高森太郎の日記です。

渡瀬草一郎『空の鐘が響く惑星で (3)』

 終われる身になってしまった第四王子フェリオと、ウルクたちは、第二王子レージクの目を欺き、王都から脱出したと見せかけて、ウルクの旧知の司祭、エヴァの下へと身を寄せた。 フェリオは、脱出する前に、人質を救出しようと考えていた。城の事を一番良く知る、フェリオ自身が……。そして、ウルクの新派緒をよそに城へと侵入するフェリオたちを待っていたのは、フェリオをさらに貶める罠だった……。

 『陰陽ノ京』『パラサイトムーン』の渡瀬草一郎、最新シリーズ最新刊。 2004年05月発売電撃文庫新刊。

 前巻の終わりから、ほぼ完全に連続した時間軸上での、完全な続き。 今回は今までに比べてダイナミックな動きはなかったけれど、多きな動きが民衆に広がりつつある中での、民衆が見ていない部分での、裏の動きのような感じで、主人公側、反主人公側の双方の動きと、そして、それぞれの心、意思などがしっかりと描写されている感じ。そして、数々の複線と、そして、これからの動きにつながりそうな謎が。

 以下、若干ネタバレ含む。


 雰囲気としては……自分はなんとなく、レージク方の法にも色々合って、と言う風に考えるようになりました。ただの狂気に取り付かれただけの男……というわけじゃないような……人間として、それなりに深見のある男なのではないか、と思えます。そして、その背後には結構大きなものがありそうな……。


 さらに!自分の気持ちに気付き、それをもてあましているウルクに萌え〜。
 そして、生存が確認されたニナも、おそらく次巻で合流すると思いますが……その過去に萌え〜。(ってそればっかかよ!)
 ウルクももちろん、ニナもある意味幼馴染。こういうところを的確に捉えてくる、さすがは幼馴染作家、渡瀬草一郎です(笑

 評価は10中8。
 完全な続き物ですが、こういう良いシリーズをちゃんと続編を書いてくれる渡瀬草一郎氏のような作家がかいてくれる……こんなにうれしいこたぁ、ないですよ!