高森太郎の日記。

高森太郎の日記です。

神さまのつくりかた。(11) 〜 (14)

 神さまのつくりかた(11) 〜 (14)
 著/高田慎一郎
 発行/エニックス(現スクウェア・エニックス) Gファンタジーコミックス

(高森太郎書店では『最近読んだ本』のコーナーに。)

 月刊Gファンタジーを買っていた頃、連載していて、その後自分は、マンガ雑誌をかえなくなたのだけれど、コミックスで追っていた作品。14巻で完結していたのものを購入。読了。

「かみさま」である少女小春は、おんなだらけの殿より旅立ち(脱走?)、人間の世界に、自らの世話役であり姉のようなものでもある八歳(やつとせ)とともに下る。しかし、下った時より、安曇の者たちに襲われ、そして、その影には天御門の姿が……。 自分の妹であり、そして重力神「遊風綾」との闘い。そして、安曇の者たちとも融和していくが、しかし、それにより、天御門本体が乗り出し、そして、約束のときは満ちる。世界は、天御門と、人類の戦いにまでになっていた――。そして、始まる最終決戦。

 和風ファンタジー……。かな? 日本的な、神社に祭られるような「神」が少女であり、そして、絶対唯一の神ではないく、たくさんの神が居る。その中の一人、小春。その彼女が、世を滅ぼさんとする神と闘い、家族を守り、妹を守り、大切なものを守り、世界を守る。

 んだけど、だけどやっぱりこう、シリアスになりきれないというか、そういうところがありましてですね。全体にながれる「ぐにゃあぁん」とした雰囲気は独特。
 そして、画は、なんというか……すーっと線が細くて、そして、黒髪で、巫女服。着物ですよ。デザインが日本の模様をベースに、こう、あっさりとしている。そして、細かいコマはそれほどぐっと書き込まれているわけじゃないけれど、ちゃんとしっかり、かかれるべきのところは背景が書き込まれていて、こう、がっちりと世界を浮かび上がらせている。ちょっと、絵で人の顔が判別しずらいとか、癖があるので、区切りごとにそのつど登場人物を整理しておかないと、混乱しやすい、というのはありますが、しかし、自分的にはこの画はいいかも。



 そして、こういう物語からといっても、ただ「神同士の戦い」になるんじゃなくって、そこにやっぱり自衛隊や、戦闘機が出てきて、人類も人類としてちゃんと戦うのです。一神殿、小春たちのテクノロジーと、現代の先頭テクノロジーを融合させた闘いになるのも、結構いいかんじ。戦闘機の空中給油機が、箱舟風であり、一神殿の巫女が拳銃、連射銃をぶん回すとか。

 そして……完結。以下ネタバレ含む。

 実は自分としては、一番気になっていた八歳(やつとせ)ですが、彼女の正体がついに明らかに。 というかそうきましたか〜。 彼女は、小春にとって「姉のような存在?」とか思っていたんですけど、実はさらに踏み込んでいたんですね。
 ということは、さらに人間関係が難しく……うむむ。

 評価は10中9。(シリーズ評価)しかし、一冊800円という、ちょっと高めの値段ですが、やっぱり版が大きいのはいいかも、と思ったり。