高森太郎の日記。

高森太郎の日記です。

蟲忍-ムシニン-

 蟲忍-ムシニン-
 著/古橋秀之前嶋重機(文章/古橋秀之 イラスト・原案/前嶋重機
 発行/徳間書店 徳間デュアル文庫
 (ISBN:4199051465)(高森太郎書店では『注目の新刊』のコーナーに。)

 古橋秀之と、前嶋重機のコラボレーション。
 とりあえず、「イラストなどどうでもいい」とか暴言言ってすみませんでした(土下座。

 蟲を体に植えつけ、蟲毒を体内に持ち、半人半怪の超忍者。蟲忍。 物理、素粒子を操り、崩壊した世界で人が生きるための神木に跳梁する魔物と戦うのが使命。 そして、その軍団を抜けた、抜忍、阿音。彼女は抜忍たる自分を追う追っ手を払いのけ、血に濡れながら、友の仇。最強の蟲忍、追い続ける――。


 独特の世界観、っていったら、古橋秀之氏の作品は、すべてそうなのですが……超絶に進んだ世界で、すべてが崩壊し、そして、その物理の隙間から、さまざまな神が生まれ、そして、唯一真ではない世界。和、といえば和ですが、しかしそれだけではない。すべてになんというか「艶」がある。

 そして、イラスト。イラストと、本文によって物語がつむがれていて、「50枚を超す書き下ろしイラスト」と銘打たれてますが、これはイラストだけれど、だけれど、本文でもある。なんというか……ただ「挿絵」じゃないかんじ。映画を見ていて、そこで現れる字幕と、そしてとめ絵だけで構成されているもの。というか……とにかく独特なのです。
 文章だけでは感じられない確固としたイメージと、それだけじゃ確実に止まって固定してしまう絵というイメージを、ふたつ重ね合わせて……。


 いままでこういうものがあったのかもしれないけど、自分にとって、もうすごい新感覚。これは、「すごい」ですよ。なんか、読んだあと、頭の中でこう、繰り返しよみがえるような、強烈で鮮烈なイメージが。

 評価は10中9。もうこれはこれそのものでしかありえない感じ。とにかく、かなりお勧めです。

 古橋秀之作品、あと、攻殻機動隊イノセンス隻眼獣ミツヨシや、ランポなどが好きな人は、特に、是非お勧めです!