高森太郎の日記。

高森太郎の日記です。

 レディ・ガンナーの冒険

 レディ・ガンナーの冒険
 著/芽田砂胡 著/草河遊也
 発行/角川書店 角川スニーカー文庫
 (ISBN:404423101X)(高森太郎書店では『最近読んだ本。』のコーナーに。)

 なんか最近、あちこちで見る「レディ・ガンナー」シリーズ、本日発見したので購入。 即。読了。

 名門、ウィンスロウ家の娘、キャサリンの元に、「鳥の人」が手紙を持ってくる。それは、隣国に住む、幼馴染の父親よりの手紙……、その手紙により、幼馴染が無理やり婚姻を迫られていると知ったキャサリンは、腹心の侍女とともに彼の元に駆けつけることにしたのだが……しかし船は出ない。そして陸路には、匪賊が出る荒野を行かなければいけない。 そして、キャサリンに声をかけてきた、女たち、獣の姿に変身する異種人種と人間の混血、の「おかまと馬鹿と変態」の4を用心棒に旅立つ。しかし、妨害してくるものたちの手が……

 冒険小説。……ただし、主人公は「レディ・ガンナー」なお嬢様で、そして、お供は腕が立つけど少々風変わりな四人です。


 なんというか、こう、ちょっとおてんばと言うか、正義感が強いというか、無鉄砲なところがあるお嬢様と、彼女をずっと見守ってきた侍女、そして、ちょっと(かなり?)変わった四人の用心棒が、目的地に進む。

 なんとなく、昔読んだ「八十日世界一周」という古典小説(なんとなく、芯が強くて、まっすぐな感じで、少々無鉄砲な主人と、おろおろとしているお付の人、という)を思い浮かべるオープニングから、なんかだんだん変わっていく。「わくわくしちゃう」っていうようなキャサリンの、そして、まっすぐ正しいことをやり、ぐいぐいと引っ張っていく感じがすごく……。

 なんか、すかっと進んでいく、こう、痛快ですよ、テンポがいいですよ。そして、完全に固定している視点からものを見ていくんですが……次第に出てくる矛盾と、最後にでてくる……。
 そして、キャラクター。おてんば、というのとはちょっと違うな……ないかすると動かずにはいられない、そして、一度進んだら止まらないキャラクター。そして、その自分の性格が分かっている上で、それを認めている自分に自身があるお嬢さんが主人公。読んでいてす〜っとします。 いろいろなことに出会いながらも、それを受け入れていけるというか。

 以下ネタバレ含む

 最後には、物語の始まりからぐらり、と話を覆す大きな仕掛けがあります。キーポイントは「幼い日の思い出としばらくあっていない隣国の知り合い」でありましょうかね。
 自分は……あの、最後に実らなかった彼女、彼女が気になります。ちょっと切ないな……。


 すっと楽しめる、ちょっと古典的な香りがしますが、それは間違いない。そして、それは面白いのです!

 評価は10中8.5。現在五巻まで刊行中……良く見れば、今月最新刊が出ているんだ。 あぁ、またそろえたいシリーズができましたよ。 しかしお金が……。


 ……しかし、良く考えてみるとここで日記を始めてから角川スニーカー文庫を扱うのはじめてかも(汗 最近離れていたからなぁ……。