高森太郎の日記。

高森太郎の日記です。

二等海士物語

 二等海士物語
 著/吉岡平 イラスト/るりあ046
 発行/朝日ソノラマ ソノラマ文庫
 (ISBN:4257770287)(高森太郎書店では未掲載。……スペースが足りません(汗))

 吉岡平の「自衛隊・二士」シリーズ、陸、空、ときて、今度は海上自衛隊です。ソノラマ文庫2月の新刊。

環(たまき)は、高校を卒業し、海上自衛隊に入隊した。代々海女の家系で、ついでにヤンキーの血筋でもあり、気合たっぷりに自衛隊に入隊する。 そのころ、海上自衛隊では、深海作業なども行える、新型潜水作業服の稼動が控えていた。それらは、2007年の今、海の機雷に対する対策の特殊掃海隊の動き。そして、環もその部隊に配属されるが……そのお披露目の時、広島で、それはおこった……

 自衛隊の二士にスポットを当てた物語。最終的には、新たなる世紀のテロとの戦い……ですが、なんかこう〜、確かに自衛隊にもこういう人はたくさんいるよねぇ、っていう人もいたりして、なんとなく他人とは思えない人々、そして、しっかりと国を守る意志を持った、自衛隊員の物語。

 今回は近未来、という形で明確に書かれています。で、その中で、掃海活動*1を行う人々にスポットを当てたもの。そして、テロとの戦い、二十一世紀になって、今までの国家のようにまとまった組織ではない相手をしなければならなくなった、自衛隊員の戦い。たしかに、こういう未来が待っているかもしれない。

 が。それが、結構、さくっと書かれている感じです。それから、なんかやたらと他人とは思えないというか、マニアックな知識と言うか、ぶっちゃけオタク隊員がでてくるのは今回も。というか二巻目の「空士」ででちょっと少な目か?と思った返しか。とか。

 以下ネタバレ含む。

 ヤシガニ、という身もふたも無い新型潜水作業服がでてきて、そして、それがキーです。正直環ちゃんはマスコットかな? でもまぁ、表紙になった女性の中では一番活躍したから良いか。
 そして、戦いはテロとの戦いです。が、なんかかなりあっさり。

 正直、あっさりしている文体なので、というか会話文ばかりでかえって分かりにくい小説の代表格みたいになってますが(汗 まぁ、読みなれればそれほどでも。確実に確実に続き、と流れを頭の中で追っていくように読む、ということができれば苦ではないかも。

 ……自分はできませんでしたが(^^;)なんども前後しました。

 評価は10中6。

*1:掃海とは、ざっくり言うと、海の地雷、「機雷」を除去して、海の安全を守る仕事。今の海上自衛隊は、世界最大の掃海力を持つといわれている。