高森太郎の日記。

高森太郎の日記です。

銀盤カレイドスコープVol3

 銀盤カレイドスコープVol3 〜 ペアプログラム So too-too princess
 著/海原零 イラスト/鈴平ひろ(リンク先は音が出ます。ご注意を)
 発行/集英社 集英社スーパーダッシュ文庫
(ISBN:4086301679)(高森太郎書店では『注目の新刊』のコーナーに)

 とある推進委員会さまではじめて知り、一巻、二巻を読了し、そして三巻が出た! というわけで、遥かなる高さにまでそびえる積読の塔を尻目に、読了。 うは〜、すげ〜よかった。


 世界の高みにて、ロシアのリアに続き、世界第2位のフィギュアスケート界の孤高のプリンセスである桜野タズサ。 は、どうしょうもない毒舌でもある。彼女は、アメリカにあるリンクに活動の拠点を移していた。
 そこで出会った一組のペアのカップル。しかし、不運にもそのカップルの一人が、事故にあい怪我を負ってしまう。
 ――今シーズンは絶望。それどころか、選手生命すら危うい……。
 そうすると、二人とも出れなくなる。女性のほうは、それをやめ、今シーズンだけ別の人とカップルを組め、というが、男、オスカーは待つ、と固持する。そんなオスカーに、タズサは、彼と今シーズン限りのペアを組むことを申し出るのだった……。

 つーか、やっぱりうまく伝わらない(涙 とにかく読んで。



よかた。すげーよかった。




 正直ここで吐露しますが、あのあと、続きが出ると聞いたとき、いったいどうなるかかなり不安でした。いや、あの最後をすべて覆すような結果になるのでは、と……。ですが、それは完全な、自分の大変失礼な考えであったのです。

 ともかく、世界の高いところに上っていったタズサ。ですけど、それゆえの……。アメリカに来て再び大爆発を起こし、そして、記憶がよみがえる――。
 すごくタカビーで、すごくきっつい女です。主人公は。ですが、それは、彼女がすごくまっすぐで素直であるから。つーことは、心のそこからそんなこと考えてるのか、と言う話もありますが、彼女は自分でも気付かないくらい純なんですね〜。
 読んでいると、自分もつられて不安になってしまう、自分も同じような状況に入り込んで読んでしまう。そんなパワーがあります。
 以下、ちょっと普段より大きいネタバレ含む。


 ロシアの世界No1フィギュアスケーター、リア。彼女はシングルなので、今回は直接対決することはありません。が、今回登場します。そして、直接対決するシーズンでは無いから、ないのかもしれませんが、二人は、町で出会い、そして、流れで二人は語ります。
 それが、なんかすごく短くて、コンパクトにまとめられているけれど、でも、しみじみとそのシーンが浮かび上がってくるような。そして、これからのタズサと、リアの行く先を予感させるような……。

 自分がこんなことを言うのはまことにおこがましいんですけど、前より確実に作家氏の文章力が上がっています。ぐっと引き込まれます。これからの本が楽しみです。

 評価は10中9。回りには進めまくり強化。作家買い確定。もう〜〜とにかくよかった!

 それから、著者氏がとある推進委員会という形で、とあるサイトに言及されています……って、まいじゃー推進委員会にきまってるんですが。すげーって感じです。というか、自分もまいじゃー推進委員会様で見て、購入したわけですが。