高森太郎の日記。

高森太郎の日記です。

二等陸士物語

 二等陸士物語
 著/吉岡平 イラスト/るりあ064
 発行/朝日ソノラマ ソノラマ文庫
 (ISBN:4257769874)(高森太郎書店では『最近読んだ本』のコーナーに)

 「コスプレ温泉」でタイラーシリーズ以外の吉岡平氏の本を知り、その巻末の著作リストから注目し、購入。なんかすげー。

 高卒で陸上自衛隊に入隊した木俣健児は、朝霞駐屯地所属の、二等陸士殿である。現在かれは、苦しくも、まぁそれなりにやれる訓練を毎日こなしていたが、それ以上に堪えていたのは、上官による三曹にならないか?という誘いだった。 上官にはなれなれ、といわれるし、先輩自衛官からは、「自衛隊で本当の下っ端は三曹だ、陸士はまだお客様だから大事に扱われるが、上がるとそんなことはない。満期除隊して金もらってやり直せ」といわれる。板ばさみになる健児だったが、あるひ、ちょっとしたはずみで上官をおこらせてしまい……!

 さくさく読める、自衛隊の裏話なんかが満載の小説。自衛隊に対する認識がかわること間違いなしで、そうかんがえりゃあぁ、そうだよなぁ、という感じ。自衛官も、ワイドショーにインタビューされて、それで「自分は命令に従うだけです」と述べるだけじゃなくて、本当に人間なんだよ、というかんじかな。ひとつの職場、職業としての自衛隊

 が、ちょっとかたよっている感じもしなくもないですが(笑)だけどなんかなまなましいかんじ。しかし、確かに自衛隊っていうのは、「国民を守るぞ!」という気負いもだけど、ミリタリーマニアだとか、そういう特殊な人種じゃないとやっていけないかもね。

 以下少々ネタバレ含む。


 自衛官って、オタクばっかか?(笑) とりあえず、やろう数人あつまれば、その年代のアニメの話になる、というのは(深度はあるけど)結構ありがちな話だけれど、そうだよなぁ、自衛隊というのは男ばっかりの職場だもんなぁ。
 ちょっと今のイラク派兵問題なんかから考えると、のんきすぎる感じもするけれど、だけどこれぐらいがちょうどいいのかも。自衛隊自衛隊であり、やっぱり軍隊じゃない。

 評価は10中8。次は、一緒に買ってある、「二等空士物語」を読みます。