高森太郎の日記。

高森太郎の日記です。

世界征服物語

 世界征服物語 〜 ユマの大冒険
 著/神代明 イラスト/如月水
 発行/集英社 集英社スーパーダッシュ文庫
(ISBN:4086300974)(高森太郎書店では最近読んだ本のコーナーに)
 友人に進められて買ってみた本。「うーん、スーパーダッシュは良いのと悪いのと差があるからなぁ(汗」とか思っていましたが、これは良作。

 祭りの夜。女子高生で、ちょっと(?)勝気な少女、由真は、祭りの本道から少し外れれた場所にあった一軒の屋台で、くじをひく。「大当たりだね」。屋台のおやじから差し出されたのは「この物語はあなたのものです」と書かれた本。それを開く。すると、そこには、妙に陽気なモンスターたちと、ちょっとご都合主義的なファンタジーRPGな世界が広がっていた。そして、ここで「封印された魔神を復活させれば願いが何でも叶う」らしい。そして、魔神の「暁の代理人」にされてしまったユマは、ちょっと陽気でかわくもあるモンスターたちとともに、立ち上がるけれど、当然ながら人殺しとかそういうスプラッタなのはいやなわけで。

 うーん。ライトファンタジー
 もろRPGの世界です。よくあるというより、ごくごく標準的なファンタジー。だけど、主人公が魔神側系だと、急に勇者としての自覚に目覚めてしまったありするけれど、彼女の場合、現代の少女である自分そのま〜んま。ちょっとだけゲーム感覚をもちつつ、彼女なりに世界を開いていく。それを、かるくかるく、ユマの一人称で語っていく感。物語がなんか魅力的な60%のアップルジュースな感じで、さらさらと読めます。
 以下、ネタバレ含む。

 物語のなかでいきなり「金が必要」とかいってファンタジーの世界でちょっとだけ現実的な問題にぶちあたるあたり、なんかすげー。それを、現代の女の子のたくましさでどうにかしていくんだけど、なんかすげー。文明の論理がないところで、今の義務教育を終えた人が行けば、確かに博士にも魔神の代理にもなれるよなぁ、と変なところで感心したり
 あと、快活に書かれた文章で、結構コメディーチック。というか勇者ご一行。あんなんでいいのか(笑) 笑いました。
 イラストは如月水氏。けっこう融合度高い。というかモンスターたちがなんかかわい〜。
 評価は10中7。続きがすでに3巻まで出ているようなので、とりあえず買ってこよ。
 本を書いた神代明氏と、教えてくれた友人に感謝。
 それから、第1回スーパーダッシュ小説新人賞、大賞受賞作、だそうです。