海原零『ブルー・ハイドレード (1) 〜融合〜』
そして……時代は動く。訓練生を乗せた潜水艦、アルファスが訓練中に敵艦と接触する。しかしその潜水艦には満足に戦闘ができる正規の乗組員はいない。 そして乱心した艦長が魚雷を放つ……
『銀盤カレイドスコープ』の著者海原零の新シリーズ。読了。
物語は、海原零の持ち味(^^;)の勝気で癖のある人々がやっぱり登場して……そして物語はかなり急激に潜航していきます。舞台が潜水艦で、そして潜水艦と言う実質の中で、そして……単純に物語にしていなくって……彼らが思わぬ行動を取っていきます。ちゃんと一本筋が通っている彼らですが、これから自体は思わぬ方向に進み、彼らは自分たちでもコントロールできない動きから、自分たちの物語へと進んでいきます。今回は、プロローグ、物語は始まったばかり。そして……じっくり読んでいくと、それぞれに思惑がありそうで……。けっこう深い。
と言いつつ……本当はこういうことは一切キニシナイと言うか、気にならないというか「別にいいじゃん、よければ」と言う人なので書かないのですけど、これはあまりにも惜しい!し、好きな作家の方なのでちょっとだけえらそうなことを書きますが……必用な説明なのか?と思う部分が多いです。
それが全体的に物語として作用しているのは分かるんですが、今の時点ですべてを出しておく必要は無いんじゃないのではないか、物語の中に絡んでこない部分を、それを多大に今の時点で説明してしまうのはどうなのだろうか。そして説明したからといて、それを共通認識としても……。その性で、前半……あんまりこういうざっくりと説明されるのに慣れていない人はきついだろうな〜と。自分も物語の舞台が全部飲み込めずに、またキャラクターもすべて一気に説明されて、パンクしました(^^;) そして、たぶんあれ、はじめごっそり飛ばして読んでも、あとの部分でキャラクターは分かるだろうな〜と。それこそ森岡浩之のSFのように、舞台設定を楽しむことも出来るSFならば、べつにそれで良いんですが。でも、そこらへんをごまかさずにしっかりやってあるので、期待しつつ。
というわけで、前半ちょっときついかな〜っていんしょうですが、物語が進み、終盤に差し掛かるにしたがって、どんどん加速していく物語。ここら辺は全く銀盤カレイドスコープと同じで、はじめは「……ん?」と思うけど、どんどん加速。そして……一気に急展開して……
評価は10中7。 なんつ〜かこれはまだ導入も導入って感じです。続き!続き!続き!