高森太郎の日記。

高森太郎の日記です。

輸入音楽CDの問題。

 結構いろいろなところで話を見かけていたのだけれど、基本的に自分は、「ジャケット」とか「ブックレット」とか「歌詞カード」などの箱を含めてCDを買うというスタンスで、外装フィルムのシールもきれいにはがして一緒に保存してあったりと、CDを音楽だけじゃなくて、CDそのものを買うようなところがあり、そのため、音楽配信は、今まで買わなかったCDが買えるからいいかえれど、だけどまず、アジア向けで、日本に逆輸入された、いわゆる「還流CD」には縁はないと思っていた。そもそも、自分が買うCDはアジア版なんてないだろうし。

 そもそも、それを規制すべきだ、というのは、若干仕方がない部分があるのではないかと思ったいた。規制するにしても、著作権*1に関税のような形でお金を入れれば、輸入可という形にして、とか、コレクション的に、中国語歌詞カードをほしい、とか思っている方に配慮すれば、容認、と。

 なので、結構そういうところを流してきたのだが……、今日、スラッシュドットジャパンにすりかえられた著作権法改正案、輸入CDは禁止にという記事が掲載されたことで、詳しく調べてみた。

 そしたら、驚いた。すでにそういう次元の話ではなくなっていたようなのだ。つまり、「国内で音楽の販売権を持っている人物が、外国からの同じ音楽の輸入を差し止められる」ということになっているらしい。つまり、どういうことかというと……。


 邦盤が存在している場合、輸入CDが買えなくなる。


 ということだそうだ。これ、おかしいだろう。と思う。
 日本には再販売価格維持制度(よく言う再販制度ってやつです)があって、それで価格を維持していて、そして、それによって3000円と言う値段で、外国がマーケットとして非常に重要視しているから、そういうことになるのだ。だから、この場合「輸入権も認め、再販制度も認める」というのは、明らかに過保護すぎというか、消費者の権利を侵害しすぎでは?

 とりあえず、再販制度というのは、そもそも「競争が過激になりすぎると文化が衰退することになりかねない」という判断からできているという法律だと自分は理解しているのだが、外国で再販制度無しにバンバン売られているCDを、なぜ日本で再販制度を利用して価格を維持して売らなければならないのか。向こうじゃ再販制度無しで、外国に輸出できる文化を作れているのに。
 これではただ単に、日本のユーザーを良いカモにしているだけじゃないのか。


 ちなみに自分は、再販制度自体には賛成である。特に、書籍に関しては。もちろんそれを過剰に押し付けすぎるのも問題で、出版業界で、再販制度を利用しないものを悪のように扱ったりするのはおかしいと思うが、しかし、良い本が出なくなる、ということは確実にあると思うからだ。……普段、金がなくって基本的に文庫しか買わない人間が言うのもなんだけれど。それに、すでに競争はあるし。

*1:レコード会社に、ではない。まぁ、レコード会社は音楽製作をして、その音楽そのものにたいして著作権を持っていることが多いのであれだが……。