高森太郎の日記。

高森太郎の日記です。

マリア様がみてる 〜 バラエティギフト

 マリア様がみてる 〜 バラエティギフト
 著/今野緒雪 イラスト/ひびき玲音
 発行/集英社 集英社コバルト文庫
 (ISBN:4086003600)

 今年刊行ペースがすごいことになっているマリア様がみてる、の最新刊。雑誌に掲載されたものなどの短編集。

 え〜紹介文はISBNのリンクから、もしくはタイトルからのリンクから見てください。いままで高森太郎書店でマリア様がみてる、を紹介してこなかったのは、紹介文に困ったからです(汗。

 収録作品名は、

  • 降誕際の奇跡
  • ショコラとポートレート
  • 羊が一匹さく超えて
  • 毒入りリンゴ(書き下ろし

 また、インターミッション(物語の繋ぎ役)で、表題作「バラエティギフト」も収録。

 うーんと、自分としては、今までの「リリアン女学園」という漠然とした舞台が、なんか現実間が出てくる感じのした、二つの物語「降誕祭の奇跡」と「ショコラとポートレート」が凄く良かった。主人公はどちらも、メインではない人物。だけれど、当然学校だから、生徒もいて、先生もいて……女学園は、実はやっぱり幻想的に存在しているものじゃなくて、外から見れば、「ブランド」のある女学園である、というふうに見えているんだなぁ、と思ったり。祐巳みたいに幼稚舎からリリアンだという生粋のリリアン女学生もいるけれど、中学、高校から入ってくる人もいるわけで。そういう感じがなんとなく……いいなぁ。やっぱり今一番注目の“ちゃんとした”学園ものです。

 自分は、中学はぽーんと抜けて、さらに通信制高校という、まぁふつーな学生生活というものが無かったせいか、こういうのが普通の人よりも、SFやファンタジーと言うかそう言うものと同じ「学園もの」という世界に見えてしまうんですよ。たいていは。
だいたい学園物と言うのは、普通だとだれでも知っている世界だからと言って、あんまり学校の当たり前の描写ってしないので、けっこうイメージしにくくて……。そういう自分なので、今回で「現実感」が出てきたように感じるのかもしれませんが……。それに、自分は「いとしき歳月」で泣いたクチですので……。

 評価は10中9。本棚に確保済みの指定席にご案内〜。

つーか、なんか切なくなるんですよね。なぜか。マリア様がみてるを読むと。どんな話でも、明るい話でも。なんか、こう。