高森太郎の日記。

高森太郎の日記です。

いい仕事してます。書店の研修中の店員さん。

 本日は電撃文庫の地域発売日なんでありますが……なぜか今月全部買いなのはともかくとして、そのほかにラノサイ杯で未チェックまたはあるはずなんだけど部屋という名のブラックホールに飲み込まれて行方不明だけどすぐ読みたいといったダメ人間的な買い物をして、14冊ほど文庫ばかり買ったのでありますが……。

 自分の手には片手で二の腕近くまで使って支えて持っている14冊の文庫本。 かごをつかえよ、という意見もあるが、自分の場合は立ち読みなし、一撃必殺強襲型なのでそんなことはしない。 そして、レジに向かったのであります。
 文芸書の棚をぬけ、大河ドラマフェアをやっている島を通り過ぎます。

 普段は、いつもだいたい同じ書店を同じ時間帯に訪れるもんだから、大抵いる店員さんはきまっていて、覚えてくださっているので、もはや「カバーをお掛けしますか?」ということを聞かず、さくさくっと対応してくれる。一冊でもそうだ。 たまにハードカバーとかいつも買わない本を買おうとすると「掛けますか?」と聞いてくれる感じであるわけなので、別に多いからと言ってどうということはないのだが……。

 今日は、レジはちょうど客がひいたところで、レジには「研修中」をつけたおねーさんがひとり……。だからといって、この手に乗せた本はなかかな重いというか、さすがにこのままうろうろするのは気が引けるっていうーか、であり……とか考えていたら、なんとなくレジのおねーさんと一瞬目が合う。うーむ。

 というわけで、心なしか思い詰めた表情のおねーさんのカウンターに本をたてて置く。この本屋さんの構造上、裏返しにして、バーコードを店員さん側に向けて、立てて置いたほうがレジに通しやすいっぽいのでこうしている)おねーさん、さささっとバーコードを通しつつ、「○○○○円になります」といってくる。
 そして、ちょうど端数があったもんだから、いちまんえんさつを出して、小銭を出している、といった、微妙なタイミングで、お金を出している間、なぜか袋詰めに手を出していなかったおねーさんが「か、カバーをおつけしますか?」と聴いてくれたのである!

 思わずおねーさんの顔を見ると、なんとなく、
一つの使命に燃える戦士の顔というか、

「勇者さま、どうか娘を助けてくださいませ」「はい、いいえ」で、いいえを延々と選び続けたあげく3回ぐらい無限ループし、ついに「はい」を選んで冒険に出なければいけなくなった勇者の表情というか(ぉ 

 そんな感じだったのである。 うわー、よくぞ聴いてくれたなーと思うのである。買った本の中にはあの「新書では折らないといけないが、だけど文庫本のカバーではちょっとたりない」な徳間デュアル文庫も含まれているのに、である。


 こういう人がいるからこそ、世の中は平和に、なんとか人類は滅びずにここまでやってこれたんだなぁ……。


 とはいえ、どちらにせよカバーはいらないので、勇気をもって言ってくれたっぽい戦士さまというか勇者さまには悪いのだけれど「いえいいっす」と断ったわけでありますが……。
 
 
 なんとなく、明日もがんばろうと思った。(何