高森太郎の日記。

高森太郎の日記です。

引越しが差し迫りつつある今日この頃。

 実は、我が家は近日、引っ越す。我が家の周辺で、住宅密集地に消防車を通す、などのための道路の建設が決まっており、それに伴って家をどかされる。 そのために、だいぶ昔から準備をしており、(それこそ、10年と構えからその話があり、そのために改装とかできないでいた)そして、去年の6月ごろから本格的に造成、建築を開始し、そして、現在、だいぶ完成に近づいている。

 現在の状況は、もう家本体は完成、あと、左官屋、建具屋さん、塗装屋さん、が現在作業を行っており、この後、インテリや屋さん(カーテンとか)、畳屋さんが入り、そして、建築確認のため、税務署だか、法務局だかが入った後、地元の神主さんにおいでいただき、火入れの儀、家のお払い(落成式)を行い、引越しと相成るわけなのだが。それまで、一ヶ月を切っている。というか後今月一杯くらいでは?といわれている。

 ちなみに、これを読めばわかるだろうけれど、新たに我が家になる家は、農家をしつつ、土木建築業を営んでいるの父の知り合い、取引先大工さんに依頼した、バリバリの日本家屋で注文住宅。さらに、伝統的な本棟造り*1で、現代型の高性能ユニット住宅の建築だとまずお目にかかれない左官屋さん*2が入ったり、ご先祖様が「次の家を建てるときに使え」と植えておいてくれた杉の木(樹齢は、今の家と同じく120年以上らしい)、を利用し、大黒柱にし、牛*3につかったりしている。
 もう、還暦を過ぎ、そして、地元の町、自治体が昔から「道路を通す計画があるから、家を建て直すのを待ってくれ」と20年以上言われ続け、そして、防火のため、といわれれば、消防団長を勤めた父がそれを突っぱねることなどできるはずも無く、ずっと辛抱強く待った父が建てるこだわりの家である。
 しかし、父は、かなり無理をしている。この年齢で建てるのは大変だ。これも、我が町の行政の怠慢が招いた結果。改装すら「もうすぐやるから無駄になる」といわれ続け実行することができず、今住んでいる家はだいぶくたびれてしまっている。そのために、移転のために必要な保証金は「本宅、長屋、蔵ともに資産価値なし」といわれてしまい、そのため、かなりの部分貯蓄で、本宅、長屋、農作業用の金属ハウス、パイプハウス、農作業用重機の車庫、父の作業場、と、すべて一度に移転する必要に迫られ、結局、農家で必要な作業場で「長屋」というものすら建てることができなかった。
 資産価値が無いからといって、そこを使っていることには代わりが無い。そして、自分の愛着ある家なのである。が、しかし、例外を作るわけには行かないといわれ続け、移転し、現在の作業場を維持できるだけの保障は無かった。
 実は、知り合いの大工さんがかなりがんばってくれているから、本宅もできた、ということもある。そして、本棟の特徴に「他の方法に比べ、屋根の構造が簡単で、特に大工以外の工程が安価である」という特徴があるため、この形になった、と言う面がある。
 そして、本宅の支払いは、自分の代まで来るだろうとおもう。それは覚悟済みである。だが、現在も手続きを遅延し続ける行政は、どうかと思う。父が足を運び、町長から話を通さないと動かないってのはいったいどういう了見か。


 で。
 それはともかくなのだが。

 近々引越ししなければならないということは、この部屋の本なども移転する必要があるということだ。引越しである。非常にどうしたもんかな〜と言う感じであるが、ここまでくれば、自分の「本がな〜」などというのは、些細な問題でしかない。ことにちょっと近づくにつれて気付く。
 なにしろ、120以上年、この家は引っ越すことが無かったのである。蔵には、「ひいおじいちゃんの妹の雛人形」とか「ひいおじいちゃんお武者人形」などもある。これらは、結構民俗学的に重要だ、とか言われるし……(だが、なんか価値があるというわけじゃない。)。というかなんで我が家蔵が2つもあるんですか?、あんまりろくなものが入っているようには見えないのだが、捨てるのはもったいないものがたくさんある。古い、和たんすなどは、戦時中に、政府が金属を接収したとき、金具がとられてしまっているのだが、それでも、非常にあじがある、いいものである。はてさて、ど〜したもんやら。


 しかし……にしても、実は我が家では一家が引っ越すほどの引越しはいまだかつて経験したことが無い。どこかで「引越しとは、人生の整理である」とか読んだ。はて、さて、120年もたっている家から引越し。どういうものが見えるのだろうか。そして、片付けが下手な自分は、いかにして荷造りをすりゃあいいのだろうか。
 これから、この「新居に移転の記録」ということで、記録していく。


 第一歩として、昨日、引越しにとりあえずいるだろうな〜と言うものを買出ししてきた。

  • ダンボール(小)×5 書類など入れる用
  • クラフトボックス、厚紙製のかなり丈夫な蓋方の箱(中中)×2 新書サイズを保管
  • クラフトボックス(中大)×2 A5サイズ(電撃hpの大きさ)保管用。
  • 文庫本ケース×2
  • CDケース MEDIX ×2
  • A4雑誌用の封筒
  • 荷造り紐 チーズ巻き型
  • ガムテープ 布
  • ナイスタック・ソフレ(剥がせるタイプの無地シール)×2 どこに何が入ったかをメモする。ダンボールを再利用することを考慮し、はがせるタイプに。
  • 無地シール ×2 再利用を考慮しなくていいもの用。
  • 水性マーカー 太字
  • 水性マーカー 細字
  • ちょっと幅広めの付箋

 など。物入りである。……というか買いすぎ?

 こなかで……クラフトボックスは、とりあえず本棚とケースからあふれている本(よーするの積んである状態)を収納するために。
 文庫ケースも同様だが、こっちはそこらにあるのをさくっと入れただけですんなり一杯になってしまいましたよ? ははは。
 CDケースのMEDIX というのは、900円とかする、この種のケースでは高級品になるんだけれど、前買ったA4よりちょっと大きいサイズの引き出しがなかなかこう像もしっかりしているし、使いやすいし、素材もいい、ということで、同じシリーズなので購入。
 大正解。仕切りが、「かちり」とはまる形ではなく、彫っある溝に「びにょーん」と斜めに入る感じ。これが、なかなかいい。
 もちろん、良くあるCDの形に溝が切ってあるなんてことは無く(そういう風になっていると二枚組みとか、ぎゃくにマキシシングル、省スペース型のCD-Rのケースなんかはうまく収納ができないのだ)非常に使いやすい。あと、引き出しの滑落防止に引き出しても落ちないようにしつつ、しかし引き出しを引き出すときには簡単に引き出せる、という構造を、ちょうど良いところに突起をつけて実現していたり、同じものをふたつ買うと、天板をはずしてユニット化できるなど構造も考えられており、さらに、素材もプラスティック製ではよくある「べこべこ感」がまったくない。本当、考えて作ってあるな〜と言う感じ。高かったけど、良い買い物であった。


 さて……にしても、なんで基本情報技術者の時期とかさなるかな……。 家で勉強がしにくくなる可能性も考慮し、なるべく今のうちに気合を入れて勉強しておかないと。

*1:ほぼ四角形の家に、三角に、一枚屋根がどん、と乗る、というつくりである。昔からあるつくりで、昔は暗い家であるといわれたが、設計の進化で、さいきんはそうでもない。造りを高くし、透明な樹脂瓦を用い天窓をつくることで、かなり明るい。

*2:塗りの壁を作る職人さん。日本住宅の塗る壁を作る仕事であるが、最近はそもそも塗り壁の様式を使う家が減っているので、仕事が無いとか。さらに、そういう様式にしても、あらかじめ塗り壁風になっているパネルを貼り付けて済ますことが多く、それは大体大工とか、インテリア屋さんが手がけるので……。 で、最近の主な仕事は、テラスにタイルを張ったりとか、そういうのだ、と言っていた。 「しかしこの家は、塗る場所がおおくてうれしいなぁ」だそうである。

*3:本棟造りに使う、屋根のちょうど中心に入れる太い梁のこと。ここに屋根の重量がかかるように作る。大黒柱は、現在はもう飾りであり、本棟作りだと、これが一番重要な構造材。