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高森太郎の日記。@hateblo

高森太郎の日記のはてブロ版です。

自動車メーカは今すぐ軽トラのEVを作るべき

三菱自動車はいまMINICAB mievという電気自動車を売っている。これはi Mievの商用車版というような代物である。
なんでこんなもんが出てきたかというと色いろあるのだが、電気自動車を研究していくと、真っ先に経済的に純粋なメリットが見込めるのが、それほど広い距離を歩かないものの、ストップアンドゴーを繰り返す商用車だということになったかららしい。
このたぐいだと条件によって5年程度で採算が取れるのだという。というわけで、このバン型の電気自動車が売り出されたという事だそうだ。

だが。

今こそ言いたい。電気自動車は軽トラックこそに導入されるべきではないか?

というわけで以下その理由をダラダラと書いてみる。

農道の王者は今こそ電動化されるべき

狭い農道を、時に左右にベニヤ板まで装備してキャビンの上まで藁などを満載して疾走する姿、あるいはそこらのRVカーなど眼ではない悪路踏破性能など、農道を素早く走り抜けるために作られた機能美あふれる自動車である軽トラックの素晴らしさは今更語るまでもないが……というネタにされるほどいろいろあるが、軽トラックはその業務に特化した潔さ、その安さなどで非常によく考えられ、よくできている車種である。

例えば今時素でエアコンどころかパワステすらオプションだったりするその割り切りがある一方、フル装備にすると垂直リフトからダンプまでオフィシャルなラインナップとして存在するなど相当なものである。

究極の実用車と言って良い。
ありとあらゆる現場で使われる。
しかしどちらかと言うと軽バンに比べて更に走行距離は短距離だし、あまり電動化されてもいいことはないように見える。何より低コストを求められることももちろんある。
しかし、ここで言えるキーワードがひとつある。

それは「自動車の電源車化」
あるいは「パワーテイクオフ(PTO)のワイヤー化」

である。

軽トラが電源車化されると何がよいか?

例えば農作業において。
現状たとえば農薬散布やらなんやらの作業では、軽トラの荷台に別のエンジンが付いた、エンジンポンプやら動力噴霧器やらを載せて別の動力を動かすことで作業を行なっている。農作業の季節になるとそういう様子を見ることができる。
一方、市場に間に合うように早朝というかまだ未明といって良い時間に収穫を行う野菜農家がある。彼らはまだ暗いうちに作業するためにし専用の発電機つき照明を使っていたりする。


例えば建築業において。
建築業では作業に圧搾空気やら電動工具やらを使う事が多い。そのためにトラックの荷台に発電機やら、コンプレッサーやらを積んで行動することがある。大きい工事ならば工事用電源などを引くことがあるが、そうでなければこういったものを使う。


これらはわざわざ別の動力源を用意しているのである。これが軽トラが電源車化されてそこから電気を取って動けるようになると、これらが全部電化できる。

電化できると何がよいかというと、簡単には

  • エンジンよりも一般に燃料の効率が良い(燃料代的な意味で。ガソリン税払わなくて済むだけ違う)
  • 静かである
  • メンテナンスが楽
  • 操作が楽

という点がある。

まず燃料効率が良いのは非常に良いことだ。純粋にエネルギー効率的には電気のほうが良いのだが、実際は途中でバッテリーが入ったりして多少は効率は落ちる。しかし、発電機やらコンプレッサーやらを回すために使われるガソリンは例外なくガソリン税が含まれておりそれだけで経済性という点でかなり落ちる。

また静かであるというのもメリットである。農業だと特に住宅街に近い果樹園で

  • 昼間防除作業(農薬散布など)をすると風があるので農薬が飛散しやすくて苦情が出る
  • というわけで早朝一番でやろうとする
  • 今度はうるせえと苦情が来る

というどうしようもない事態がわりとそこらじゅうで起きている。
もちろん建設業者などにとっても重要なのは言うまでもない。この建設不況にもかかわらず重機の販売台数がそれほど落ちないのは、ひとつは中古重機の価格が落ちにくいため買い替えを行いやすいという理由もあるのだが、もうひとつは騒音低減タイプの需要の高まりがあるかららしい。確かに近頃の重機は静音になっているが、だからこそこういうものが必要になっているのだと思う。

その他にメンテナンスが楽というのがある。これは言うまでもないがとりあえず油脂類(燃料も含め、オイルとか)がいらないため、ここらへんは非常に負担が違う。モータはと言うとせいぜいブラシぐらいで、ブラシも適切なものを選べば相当持つし、交換もそれほど難しくない。さらに言えばブラシレスモータであれば完全にメンテナンスフリーを実現できる。
さらに操作も楽だ。とりあえず始動からして楽である。思いっきり引っ張ってスタータを回して稼働させるのは結構きつく、これもくたびれてくるとなかなかエンジンがかからなかったり、かけるのにコツがいるとかそういうことになりやすい。その他出力調整もリニアにできないとか、低出力で駆動させるとエンジンが消耗しやすいとか極端に燃費が悪くなるとかそういうことになるのだがこういった心配がいらない。

従来こういった難しいエンジンが使われている理由は単純には電源が無かったからである。
しかし電気自動車はそうではない。強力な自走式バッテリーとなり得るのだ。これは活用しない手はない。

従来自動車のパワーを取り出すにはPTO、パワーテイクオフといって動力出力用のシャフトをつかって動力を取り出すしか方法がなかった。またPTOで発電機をぶん回す者もない事はないが、自動車のエンジンはその場に留め置いて動作するようにできていないのでラジエター等冷却機能やらを強化するなどそのままではいかず結構面倒だったのだが、電化されるとより簡単にエネルギーを取り出せるようになるのである。

このPTO的に使う時間を考えると、実は軽自動車は商用車等に比べて圧倒的に使われる時間が長いのである。
ここを参入して考えると、かなりもとが取れるのである!

この他に軽トラックの荷台に出荷の荷造りをする機械(例えば野菜洗浄装置等)を載せて行って、畑でその場でガンガン詰めてしまうとか(従来これをやろうとするとトラクターの後ろに付ける巨大な専用装置を使う必要があった)、従来ならばPTOを使うために大掛かりな改造が必要だった専用装置も作りやすくなるだろう。

実用性はどうか? 必要なスペックとは?

では実用性はどうだろうか。少し考えてみる。
まず第一なのがどれぐらい使えるか、である。

現在minicab mievの容量は16.0kwhであり、これは16000wを1時間使えるエネルギー量ということになる。
(とりあえず効率の話は置いておく)

例えばアネスト岩田のエアコンプレッサー、一人用ならけっこう使える0.75kwタイプでも21時間稼働ができる。
同じく単相タイプでは一番容量の大きい動力噴霧器電動タイプ、3.5MPaまで加圧できるタイプで0.4kwでありこちらもざっと40時間も稼働できる計算になるのである。

これに畑や現場などにいく距離を換算しても、十分使える長さだと思うが如何だろうか。

しかし一方、多人数に供給するような大型のコンプレッサーや、5MPaで毎分50Lを超えるような供給能力を持つ強力なポンプ等を使用する場合には、途端にもたなくなる。この場合半日も持たない。
が、である。実は今の電気自動車のバッテリー容量は基本的に価格によって決まっている。
極端なことを言うと、金さえ積めばかなりのところまでバッテリー容量を増やすことができるのである。なので必要に応じて、バッテリー容量を増やせるようにオプションなりラインナップがくまれていればよいのである!
これらのヘビーな用途でも、今の2倍程度の容量があれば十分に事足りるだろう。

しかし軽トラックにそんな金がかけられるか?という疑問はもちろんあろうかと思う。しかし、である。
これを発電機をあわせて購入する、あるいは燃料代などに換算するとおそらくこちらのほうが圧倒的に……とはいわないが、かなり安くなるはずだ。とにかくそういうたぐいの装置は燃費が悪いということもある。またコンプレッサーや動力噴霧器などは不思議と、なのだが(おそらくエンジンのラインナップ的な事だと思われるが)エンジンだと一番安い価格帯を除けば、機材はモータのほうが安いのである。
こういうことをキチンきちんと計算すればかなり経済的メリットはあるはずである。

家庭用自動車としてみるとぜいたく品であるかもしれないが、業務用として考えると安いといって良いのではないだろうか。例えば自動車を中古の軽自動車で迷っている農家のおっさんが、一千万円近くするコンバインをローン組んで買っていたりすることはあるし、数百万円ぐらいする高出力のスピードスプレーヤーはある一定規模以上の果樹農家ならだいたい持っていたりする。
ボロッボロのトラックを長年使っている土建業のおっさんが、現場では騒音対策に最新式のバックフォーを使っているという後継も見ることができるだろう。

要するにこのあたりに活路があるはずだ。

軽トラの無限の可能性を更に引き伸ばす電気自動車化に、メーカは今すぐとりかかるべき

結論としてはメーカは今すぐ軽トラ版、というかミニキャブトラック mievでも、ハイゼットトラックevでも早く作るべきである、その時は単相100Vと3相200Vが取り出せる電源供給ユニットを標準装備して売り出すべきである。

さらに出すなら以下の仕様で出すべきである。

  • 4WD
  • 容量20kwhで走行距離160km。
  • 単相100V、3相200Vの電源供給ユニットを搭載

この仕様でなら補助金適用後300万円なら即注文する用意がある。

というわけで軽トラのevがほしいと騒ぐという話であった。