高森太郎の日記。

高森太郎の日記です。

USBメモリなどで持ち運ぶアプリケーション、Portble toolsについて書いてみる。


 USBメモリ…というか、広く書き換え可能な取外し可能なメディア*1に入れて、いくつかのWindwosPCでもって歩けるツールというのについて、メモ代わりにちょっと書いてみる。

 このもって歩くツールを使う利点というのは、「どこでも同じ環境を持って歩ける」というのに尽きる。が、よくよく考えるとこれが必要な環境というのは実は結構限られている。そもそも複数台のコンピュータを使い分けて使う人というのは意外と少ないし、会社や、専門、大学以上の学生ならば、いまどきならかなりの割合で専用のパソコンが支給されているだろう。また、そうでもなければ、私物のノートパソコンを持ち込んでいると思われるからだ。そうでない人は、そもそも限られた環境以外ではパソコンを必要としていない人*2な場合がほとんどだと思う。 また、プライベートのパソコンと、学校や会社で使うコンピュータで同じ環境にしたいという需要は実はあんまり無いと思う。


では、どういう人にとってこういったものが有用かというと、自分のように、いくつかのパソコンを渡り歩いて仕事をしなければならない人間だ。自分の場合は、なぜか会社のCADが、一台で完結できないため*3、作業によってコンピュータを渡り歩いていたりする。 そんな状態でも当然メールは送受信しなければいけないとか、画像処理、圧縮解展開(解凍)は安定して出来なければいけないとか言うことは当然あったりする。もちろん、その他にもちょっとした小物のツールを使わせていただくことで色々と作業効率を上げられるということがあって、使っているのである。

 さらにもう一つあると言えば、ここに上げているソフトウエアは、特別特定のパソコンに「インストール」という動作を行わなくても使えるというわけである。まぁ、それが何を意味するかというのは人それぞれだと思うけれど。

というわけで、USBメモリなどに入れてもって歩いているアプリケーションや、もって歩く際のポイントなどを書いてみる。

まずは、定番なのが、portableapps.comのPotableツール群である。
いくつかのツールがあり、さらにそれらを一括して使える「Potable Site」というものがあるが、個人的にはそこまではいらないので、今の所必要なだけ、個別に以下の四つを利用している。

  1. FirefoxPortable
  2. ThunderbirdPortable
  3. GIMPPortable
  4. 7-ZipPortable

見ていただくとわかると思うが、基本的に四つともオープンソースソフトウエアである。

Firefox Potable

 そのまんま、Firefoxのポータブルエディションである。インストール(といっても基本的に解凍されるだけだが)されたフォルダにある「Firefox_portable.exe」を実行することで、Firefoxをインストールフォルダ内だけで完結するように起動してくれる。 他のフォルダにFirefox.exeも存在しているが、そちらから起動はしないように。そちらから起動すると正常にPotable Firefoxとして動かないようだ。
 基本的には普通のFirefoxと同じに使え、当然ながらよほど特殊な動作をするもの*4でないかぎり、拡張機能(アドオン)ももちろん使える。 また、その他にも、たとえばダウンロードするときには必ず保存先を聞いてくれるようにしてあったり、自動更新の挙動を変えてあったりするなど、細かな所で持ち運んで使うのに良いように、ちょっとづつカスタマイズされていたりするようだ。

 また、配布元からダウンロードされるものは当然英語版なのだが、例によってFirefox自体は多言語対応なので簡単に日本語化が可能。やり方は大まかに言って以下の三つの方法がある。

  • 日本語版のロケールをダウンロードして組み込み、これは言語を切り替えるエクステンション「Locale-Switcher」を使って切り替える
  • 日本語版のロケールをダウンロードして組み込み、User.jsを作ってそこに書き込む。
  • すでにインストールされている各国語版FirefoxディレクトリをFirefoxPotableの所定のフォルダにコピーする

 具体的に言うと、各国語版ロケールは、「http://releases.mozilla.org/pub/mozilla.org/firefox/releases/」以下にあるディレクトリの中の目的のバージョンディレクトリ以下の/Win32/xpi/以下にあるものが使える。たとえば、現在Potable Firefoxで最新版の2.0.0.1ならば、「http://ftp.mozilla.org/pub/mozilla.org/firefox/releases/2.0/win32/xpi/ja.xpi 」をダウンロードする。 これを、普通にFirefox拡張機能を組み込むように、Firefox自体にドラックアンドドロップすればよい。そうすれば、見慣れた拡張機能を組み込むダイアログが出てきてダウンロードできる。

 そうしたら、言語を切り替えるエクステンション「Locale-Switcher」を普通の拡張機能のようにダウンロードしてきてその昨日をつかうか、もしくは、Firefoxを一旦終了し、\FirefoxPortable\Data\profileの中に、エディタ(メモ帳)で「user_pref("general.useragent.locale", "ja-JP");」(ja-JPを他言語に変えれば他言語も可能)と一行だけ書いたファイルを「user.js」という名前をつけて保存したあと、Firefoxを起動すればそれで日本語化されているはずである。
 そのほかに、普通にインストールした普通版のFirefox以下のディレクトリを、FirefoxPortable\App\firefox\コピーするやり方も、PotableAppsで公開されている。(これはやったことないのでどうなるかは知らん……間違っても直接インストールしてはいけない。アンインストール情報他ごみが残ることになるので)

 このPotableFrefoxを使うことの利点は、最新の高性能ブラウザをどのコンピュータでもインストールすることなく使えるのと、ブックマークを持って歩けることである。 これらのは個別に解決する方法がある。たとえば、ブックマークその他の環境を同期させる拡張機能や、はてなブックマーク……とまでは行かなくても、YahooブックマークなどWebのサービスも多数ある。 高性能ブラウザといったって、今はIE7やOparaだってもちろんあるわけだが、ぶっちゃけ、このPotableFirefoxだと世話がないのである。そのあたりを何にも考えなくても、工夫しなくても単純にブラウザごともって歩けるわけだ。
 これはドライバとナイフが便利だからといって十得ナイフを持って歩くようなもんだが、非常にコンパクトにまとめられているので、かなり便利である。特に、無闇に派手で仕事なんかで使うにはあんまり見てくれがよくない広告をブロックできるAdblockPlusがが使えるのも大きい。

 また、レジストリに書き込むなど、いわゆるインストールが不要と言う点から言っても、持ち歩く以外に持つかえる。複数のブラウザを、コンピュータに痕跡を残さずに使えると言うわけである。 これがどういう利点をもたらすかと言うと……まぁ、セキュリティがちゃんとしているところは、そもそも勝手な実行ファイルを実行数個となんてできないようになっていると思うので、あんまりアレといえばアレなのですが、最近は企業ではWebベースのシステムはもはや当たり前だが、その関係でブラウザが固定されていることはよくある。そういった場合でも、システムに影響を与えず、たとえもともと業務に使用するFirefoxがインストールされていたとしても、特に、Firefoxを業務システムのブラウザに指定して使うようなところは、おそらくカスタム版のFirefoxを配ったりしていると思われるので、それに関係なく使えるという点がいい。

最後に、関連リンクをおいておく。

ThunderbirdPortable

 これもそのまんま、メーラーサンダーバードのポータブル版である。 内容的にはFirefoxPotableと以下同という感じであるが、インストール(といっても基本的に解凍されるだけだが)されたフォルダにある「ThunderbirdPortable.exe」を実行することで、Thunderbirdをインストールフォルダ内だけで完結するように起動してくれる。 他のフォルダにThunderbird.exeも存在しているが、そちらから起動はしないように。そちらから起動すると正常にPotable版Thunderbirdとして動かないようだ。

 このサンダーバードは、アウトルックエクスプレスにまともに対抗できる、まともに置き換えの可能な貴重なメーラーであり、これが持ち歩けるのである。他にも持ち歩けるメーラーというのはあるが、ぶっちゃけ一長一短だったりするので……なれているとかそういうことがない限り、あんまりメリットが見出せない感じというのは若干言いすぎであるにしても、個人的には敷居が高い。 ……セキュリティという観点からは、結局IEコンポーネントを使っている点で微妙だし……。
 また、これもポータブル版に限定されることではないが、アドレス帳がついてくる点も便利である。 これ、何がいいって、アドレス帳自体を複数作ることができる点である。

 ExcengeSeverなどを用意していない中小企業では良くあることだと思うが、社内のイントラネットのページなどでCVSファイルで社内全体のメールアドレスが配布されていたりする。
 で、そこに追加して、たとえばそれに乗っていない客先のアドレスを加えるとかすると、社内のメールアドレスを更新するときに困ったりする。 また、数が多いと、いちいち検索する羽目になったりして、結構面倒なことになること多々ある。
 このTunderbirdのアドレス帳は、この点複数に分けてもてるので、ひとつは客先、ひとつはよく出す人向け、あのひとつに社内全員アドレスなどといって分けておくといったことができる。

 もちろん専門のアドレス帳などには負けるとは思うが、当然Tunderbirdとの連携は抜群だし、おまけでついてくると言う点もなかなかいい感じである。

 また、PotableApps.comでは、GPG(GnuPG)とEnigmail対応版も同時に配布してくださっている。GPGというのは、暗号化ソフトウエアで、EnigmailというのはそれをTunderbirdで使いやすくするための拡張機能だそうである。 自分は使ったこと無いけれど……。


 また、配布元からダウンロードされるものは当然英語版なのだが、例によって日本語化についての事情も大体Firefoxと同じ。Tunderbird自体は多言語対応なので簡単に日本語化が可能。やり方は大まかに言って以下の三つの方法がある。

  • 日本語版のロケールをダウンロードして組み込み、これは言語を切り替えるエクステンション「Locale-Switcher」を使って切り替える
  • 日本語版のロケールをダウンロードして組み込み、User.jsを作ってそこに書き込む。
  • すでにインストールされている各国語版TunderbirdのディレクトリをTunderibirdPotableの所定のフォルダにコピーする

 具体的に言うと、各国語版ロケールは、「http://releases.mozilla.org/pub/mozilla.org/thunderbird/releases/」以下にあるディレクトリの中の目的のバージョンディレクトリ以下の/Win32/xpi/以下にあるものが使える。たとえば、現在ThunderbirdPotableで最新版の1.5.0.9ならば、「http://releases.mozilla.org/pub/mozilla.org/thunderbird/releases/1.5.0.9/win32/xpi/ja.xpi 」をダウンロードする。 これを、普通にThunderbird拡張機能を組み込むように、Thunderibord自体にドラックアンドドロップすればよい。そうすれば、見慣れた拡張機能を組み込むダイアログが出てきてダウンロードできる。

 そうしたら、言語を切り替えるエクステンション「Locale-Switcher」を普通の拡張機能のようにダウンロードしてきてその昨日をつかうか、もしくは、Thunderbirdを一旦終了し、\ThunderbirdPortable\Data\profileの中に、エディタ(メモ帳)で「user_pref("general.useragent.locale", "ja-JP");」(ja-JPを他言語に変えれば他言語も可能)と一行だけ書いたファイルを「user.js」という名前をつけて保存したあと、ThunderbordPotableを起動すればそれで日本語化されているはずである。
 そのほかに、普通にインストールした普通版のFirefox以下のディレクトリを、ThunderbordPortable\App\Thunderbord\コピーするやり方も、PotableAppsで公開されている。(これはやったことないのでどうなるかは知らんですが……間違っても直接インストールしてはいけない。アンインストール情報他ごみが残ることになるので)

最後に、関連リンクをおいておく。

GIMPPotable

 GIMPは、有名なオープンソースフォトレタッチソフトのモバイル版である。 簡単に言えばオープンソース界のフォトショップ的なソフトウエアで、超もんのすごく高度なことをしたりしなければ、非常に必要十分以上の能力をもったソフトウエアである。
 ……ぶっちゃけていうと、自分も使っているが全体の機能のうちちょっとしか使っていないので、全体でどういうことができるのかよくかわかっていないのだが(ぉ 自分は、スキャナーで取り込んだ画像のゴミ取りとか、資料用の画像を見やすくするとか、PlintScreenで取った絵の不要な部分を消すとか、簡単な画像コンバータ代わりとか、画像の合成偽造とか(ぉにしかつかっていないのだけれど、画像処理の素人が考えつくたいていの処理はこれでできる。

 また、フォトレタッチソフトというのは、ある程度使えるやつは、インストーラーがついて、とがっちり作られている事が多い。逆に、解凍して、アンインストールはフォルダごと消せばよい、といった類のものは、対応フォーマットがちょっと足らないことがある。

 CADの分野……というか自分の会社だけかもしれないが……伝統なのだろうか、TIFFのフォーマットがよく使われる。 ご存知の方はご存知だと思うが、TIFFというのは実は厳密には画像のフォーマットではない。Tagged Image File Formatの略、つまりタグで画像を格納する規格なので、同じTIFFでもバージョンがいくつかあり、圧縮方法などの種類もある。(たとえば、JpegTIFFなんてのもある)
 そのためか、TIFFに対応したソフトウエアは少ないのだ。対応していても、簡単なものは無圧縮のビットマップなTIFFにしか対応していないものが多い。 このままだと、やたらとかさばって大変なのである。特に、USBメモリひとつもって、いくつかの端末を渡り歩いている身には、それをいくつかUSBメモリに放り込んで持って歩かなければならないシチュエーションも多いためだ。
 というわけで、GIMPPotableは貴重な圧縮されたTIFFフォーマットに対応する、持ち運び可能な画像レタッチソフトだったりする。

 さらに言うと、画像編集ソフトは……というかアドビがデファクトスタンダードを握っているジャンルのソフトはやっぱり高いというのがある。で、フリーソフトや個人のシェアウエアを使いたがらないというありがちな企業文化からか、Officeは入っていても、ちょっと気の利いた画像編集ソフトが入ったパソコンと言うのは意外と少ないのだ。そういう点から、常に使える状態にしておくと便利だと思う。

なお、ダウンロードするときに「Multilingal」を選択してダウンロードしておけばはじめから日本語に対応している。初回起動すると英語で起動するが、\GIMPPortable\Data\settings以下に、GIMPPortableSettings.iniというファイルがあるが、そのファイルを開いて

[Language]
LANG=ja

と書き換えて再起動してやれば、そのまま日本語化される。
最後に、関連リンクをおいておく。

7-ZipPortable

 一部では有名だと思う形式、7z形式をメイン、ZIPの圧縮展開、にLHA(.lzh)の展開が可能なソフトウエアである。そのほかに、GZIP、TARの圧縮展開、RAR、CABなどの展開にも対応している。

 いまどきのWindowsXPならば、エクスプローラでZIP形式はそのまんまで扱えるし、LHAはマイクロソフト純正アドオンで対応できる。そのため、ぶっちゃけ圧縮展開ソフトウエアの存在意義はだいぶなくなってきている。が、である。実は圧縮展開ソフトウエアというのは、同じ形式でも、ソフトによって微妙に圧縮率に差が出るのである。その点では7zは、ZIPの圧縮でも、処理は重たいが一般的なZIP書庫よりも、公式率で一割ほど高い圧縮率の書庫を作ることが出来る。もちろん、展開するソフトはちゃんとZIPに対応していればなんでもOKである。

「このテラバイト、ブロードバンド時代になにをけち臭いことを……」と思われるかもしれないが、自分の会社のメールは、最大送信できる容量が5MBまでなので、その関係でよく使うのである。
 加工を担当する業者などと三次元データをやり取りすることがあるのだが、意外とこの5MBという容量が微妙で、あとちょっと小さくなればなんとかすり抜ける、ということが結構あるのである。 いや、そもそもメールでそんなデータの転送をするなよ、といわれればそのとおりだし、もうちょっと増やしてくれてもいいんじゃないのかと言う気もしなくもないのだが、しかし現状ではこのような場合が結構あって重宝しているのである。さらに言うと、 Windows2000が現役バリバリだったりするとおさらだ。

 そして、(個人的に)最後の手段としての7z形式がある。これはものにもよるが、zip形式に比べて圧縮効率が高い。そして、rarなど非常に圧縮効率の高いとされてきた形式に匹敵する、もしくはそれ以上の圧縮率を誇る形式らしい。つまり、現状オープンソースで入手できる最高の圧縮率の形式というわけだ。その代わり、ZIPなどと比べると認知度が低いので相手を選ぶが、使うことが可能というのはもちろん大きな利点だ。(7z自体オープンソースなので、あんまり知名度は高くないが、対応している圧縮展開ソフトウエアは多い)特になぜか自分が使っているCADソフトウエアの形式は相性がいいらしく、ZIPにくらべて50%ぐらい効率がいいため、結構使えるのである。

 使い勝手もなかなかよい。見慣れたエクスプローラー風のインターフェイスで、ZIP,LZHなどは展開せずに中身を見る昨日も備える。操作方法も基本的にプラスとマイナスのでっかいアイコンを押して、形式を選択するだけでわかりやすい。 ただ、圧縮にかかる時間は比較的長めといえば長めで、負荷も高め。そのためか、圧縮率優先か速度優先かが選べるようになっている。実際普段は速度優先で十分だし。ただ、圧縮率優先で圧縮した場合でも展開する側の時間はんまり変わらない。

 圧縮展開ソフトウエアというのは、当然ながらそのソフト自体がZIPやLHAなどで圧縮されていては「卵が先か鶏が先か」といったことになるため、ほとんどがインストーラー、単純に自己解凍方式の場合もあるが、実行形式で配布されることがほとんどだ。自己解凍方式で配布するならば、インストーラーにしてしまえというのがあるのだろう。そのため、意外と持ち運べるものが少ない。 いや、大抵は関連付けを前部外して、フォルダごとコピーしてしまえば使える、レジストリにはアンインストールの為の情報が記載されているだけ、見たいなソフトが多いのだが、その場合でもアンインストール情報が残る。実害はあんまりないのだが、個人的には気になるので。そして、Potableとそれ専用に作られたものはアップグレードのときに「USBメモリに入れて他のところに持っていって動くか」ということを気になくてよいのがいいところである。
なお、日本語にははじめから対応している。 メニューバーのTool→SettingのLungageタブで設定が可能だ。

 


次に、PotableApps以外で、USBメモリで使うことを前提としたソフトウエア、自分は今の所、以下の三つを使っている。

  1. UnplugDrive_Portable
  2. YLunch
  3. PcWizard


UnplugDrive_Portable

 アンプラグドライブポータブルは、ドライブの取り出しを行なうソフトウエアである。使い方はいたって簡単、取り外しを行ないたいメディアにあらかじめプログラムをコピーしておき、外したいときに実行するだけである。すると、それで取り外される。

 通常は、Windows標準のハードウエアの取外しを使って外すのが一応正統ではあるが、そのWindows標準機能にある、小さいがよく使うが故積み重なって効率を悪くしている部分をうまくカバーしてくれており、個人的にはこれがシンプル且つ便利で、かゆいところに手が届くという感じで使わせていただいている。

 まず第一が、Windows標準機能の使いにくさである。あれは数が多くなってくると目的のドライブを探すのが面倒になってくる。特にありがちなのが、多数の形式に対応したメディアリーダなんかを接続していると、一つを指すだけでおびただしい数のドライブがマイコンピュータに並ぶことになる。安もんのカードリーダなんてどうせ一度に一つしかアクセスできないんだから、一つにしやがれこのやろうとか毒を吐きたくなる。さらになぜか増えていくネットワークドライブに、一部のCADのようにファイルパスに全角が入ると読めなくなると言うようなソフトを使っているとその対策に目的のフォルダに仮想ドライブを割り当てたりなんかした日には、わけがわからなくなる。この段階になると、大量に並ぶドライブレターを前にして、燃え尽きたような気分で目的のファイルを探しながら、CD-ROMドライブの取り出しボタンというのはなんて偉大なる発明なのだろうと、ぼんやり考えるようになるのだ。

 終いには、やっと見つけ出して「取り出し」をやったのに「使用中です」とか言われ、しかもそれが身に覚えがなかったりすると、もう発狂もんである。 どこのどいつだ! 使ってやがるのは出てきやがれ! などと叫んだところでその言葉はこだまとなって空しく響き渡るだけで、結局は動いているプログラムやウインドウを片っ端から終了させて見たりする羽目になったりする。
 そして終了させるたびに辛抱強くタスクトレイのアイコンをクリックして取り出し、だめならまたひとつ終了させてクリックして取り出し、とやる羽目になる。そして、目もかすみ、腕も震え、間違えて別のアプリケーションのポップアップメニューが出た日には、ショックで髪の毛がはらはらと舞い始めることだろう。
 さらにそれでも取り出しが出来ない場合、アクセスランプがついていないことを確認し、虫歯を舌で探って確認するが如しの心境で引き抜くことになるのである。 そんなことを繰り返していては、やがて発狂するであろう(言い過ぎ

 それを、解決してくれるのがこのソフトだったりする。ドライブを開き、ダブルクリックするだけ。するとソフトが起動し、うまくいけば取り出し、うまくいかないと、ちゃんとどのプロセスがファイルを使っているかと言うことを知らせてくれるのである。
 そして、帯状に画面表示が出るわけだが、それを表示させたまま、問題のアプリケーションを終了させてやると、再び操作を繰り返すことなく安全に取り外しをしてくれるのである。

 一見地味だが、シンプルないいソフトだと思う。ありがたく使わせていただいている。

リンク

Ylunch


 USBメモリ等持ち運びメディア用のランチャーソフトである。
 作者様のページを拝見させていただくと、はじめから持ち運び用として設計し作成なさっているようで、その点ではしっかりと抜かりがない。 もって歩くことを前提としてくださっている機能では

  • 相対パスの全面的なサポート。
    • 絶対パスを入れて、相対パス化というボタンを押してやるだけで、自動的に相対パスにしてくれる。
    • 起動しているプログラムから自動的にパスを取得すると言ったことも可能。
  • 登録されたファイル形式によって、独自に関連づけを変更可能。たとえば画像をクリックしたときに、ふつうならPCでそのファイルに関連づけられているプログラム、たとえばペイントが開くところをGIMPPotableで開くようにすることができる。
  • Ylunchの起動とともに実行するファイルの指定をすることで、Ylunchを起動するだけで環境を整えたりすることが可能。ソフトを選ぶが、Ylunchを終了時に自動終了させる機能も持つ。
  • 前記のUnplugDrive_Portableとの連係機能。あらかじめUnplugDrive Potableのパスを入力しておくことで、終了時にUnplugDirveを自動実行する機能。

 などがある。これだけでもかなりありがたい機能だ。どれも結構アイデア次第ではあらゆることができそうな機能を持たせてくださっている。

 自分は、これを使わせていただくまで、いちいち実行ファイルのあるフォルダに降りていったり、簡単なbatファイルを作ってルートに置いたりとかしていたのだが、どれも解決策にはなり得なかった。
 繰り返し何回もすることになる動作故、小さい動作でも何となく気になっていたのだ。それを解消してくれるソフトとして、非常にありがたく使わせていただいている。

 また、PotableAppsでも似たようなランチャーソフトを配布なさっている、しかし、あちらはとりあえず英語なので使いにくいということをのぞいても、それには無い機能がかなり盛り込まれているのがよい。
 たとえばこれは、ふつうのファイルも登録できる。自分はUSBメモリには、ツールの他に社内の規格のPDFなんかを詰め込んであるのだが、そういったしょっちゅう参照するものを呼び出すとかにももちろん使える。
 さらには、ブックマークツールとしてアドレスを登録したり、メールアドレスを登録したりすることもできるのである。

 さらに……実はもって歩くツールを使うようになってからランチャーソフトを使うようになったため、他のランチャーを使ったことがないのであれだが、珍しい機能として、登録されている項目を検索で絞り込めたりする機能がある。Fireといれれば、Fireで始まるものが出てくると言うわけ。 インクリメンタルサーチになっているので、入れた先から画面では絞り込まれていく。というわけで、かなり結構節操なく登録しても大丈夫。 IEのお気に入りスキャンの機能があるので、それを使って一括登録してやることもできたりする。……個人的にはPotableFirefoxのお世話になっているのでアレだが……。

 個人的には、欲を言えば、終了確認がほしいとか、Ylunchを終了させるときにUnplugDive連携をやっているときでも、「Dirveを取り出しますか?」と一つ確認ダイアログを出せるようにするとか、最小化したときにタスクバーに普通のアプリケーションのように入るのではなく、常駐アプリみたいにステータスバーの領域に入ってほしい(せっかくショートカットで一発呼び出しができるので)とか、そういう細かい点は使って見ると思う所はあるが、なかなかいい感じである。ありがたく使わせてもらっている。

 リンク

PcWizard

 なぜか、最近たまに、お客様から届いた謎の形式のファイルを調べて開いてみたり、マクロで部品表を処理しているのをみられたりとかそういうことが重なって、たまにプチサポセンみたいなことをやらされている自分としては、トラブルに対処するときに非常に有用なソフトである。
 また、お前いつの時代と勘違いしているんだ? 何とかの一つ覚えのようにトラブルがあると「再インストールしてください」としか言わないサポートに対抗する時にも一つの目になってくれるソフトである。

 また、自分のようにパソコンを渡り歩いているとはいえ、渡り歩くパソコンがだいたい決まっていてそれぞれのスペックがわかっていればよいのだが、そうではない人にもきっと有用になろうというソフトがこれである。

 このソフトは、簡単に言うとパソコンの現在の動作環境やハードウエアの情報などを一括して走査し、表示してくれるソフトウエアだ。
 表示してくれる情報は多種多様で、パソコンの基本的なスペックからHDDやCPUの温度などといったハードウエア的な情報から、インストールされているソフトウエアの情報やDLLの情報なども事細かに見せてくれる。また、メジャーなソフトウエアならば、そのソフトのバージョンなどの基本情報も参照できる。 さらには、専門ソフトには及ばないにしても、簡単な相対評価が行えるベンチマーク機能も備える。

 というわけで、USBメモリやふつうのソフトウエアを繋いでみて、とりあえずコイツを起動してみてやればその端末のだいたいの情報を一括してみることができる。

 こういったソフトで高性能なものは、結構インストール型が多いのである。 そういったタイプのものは、そのソフトを常駐させることでシステムの変化を記録したりとまた違った機能があるようなのだが、こうしてもって歩ける高性能ソフトというのはありがたい存在だ。

 こういった性質のソフトウエアなので、具体的に何ができて便利というのは、そのソフトを使う人間によるので、アレなのだが、しかし
「お前を丸裸にしてやる」とか
「身も心も見せてごらん……さあ……怖わくないよ……」とか
「ふふふ……かわいいわね。 さぁ、その手をどけてごらん。 こわくないから……」とか
「へへへ……この道具を使えばお前の奥の奥までまるみえだぜ(じゅるり)」とか言いながら見て回わり、多少意味がわからなくても優越感に浸れるというわけである(ぉぃぉぃ

 もちろん、実際にはかなり役立ててつかっている。 今時、ウイルス対策ソフトを社内の個別の端末に配布していないという微妙さ(さすがにメールは対策しているようだが、感染経路をメールだけだと思っているあたり微妙である)な会社にて、これを使ってウイルスを発見、駆除したことがある。 たまに「みなかったことに」といった結果が見えてくることもあるが。


 このソフトウエアは、配布サイトのなかで「ZIP package」というのを選んでダウンロードしてきて、展開するだけで使える。また、ソフトについてはUSBキー(USBメモリ)で使えるよ、みたいなことがちゃんと書いてあるありがたいソフトである。

 対応言語の中には残念ながら日本語は入っていないが、テクニカルタームたっぷりのアプリケーションソフトウエアはデフォルトで英語だろうが日本語だろうが、あんまり書いてあることは変わらないのであんまり問題はない。えーごがからっきしだめな自分が言うのだから間違いない。 このソフトは基本的には表示するだけのようだし。

リンク

そのほか、明示的に対応を表明していないソフト 小物ツールなど


その他は、とりあえず自分が使っていて、USBメモリに入れて持ちあるいても支障がなかったアプリケーションの中から、特に持ち歩くことでさらに便利に使えている気がするソフトをいくつか上げておく。

  • FileFileCopy
    • 配布元:A-1 DRIVE
    • 言わずとしれた超有名ソフトである。メモリ上に大きな空間を確保して、それを利用して大きなファイルや多数のファイルを一度にコピーしたり移動したりする時には、もはや必須的なソフト。 シェル拡張を使わなければUSBメモリに入れて持って歩ける。 外付けHDDをもって人からファイルを受け取りに行くときなどに、ちょっとひとつ入れておくだけで全く作業の効率が変わる。
  • パスみえ2000
    • 配布元:Team Quickware
    • ******で隠されたパスワードを読めるようにし、コピーするためのソフト。他人から何とかしてほしいといわれたときに使うツールである。プチサポセンみたいなことをやらされていると結構出番が多い。
  • こっそりエディター
    • 配布元:きわみの部屋
    • 背景色と文字色を柔軟に変更でき、ウインドウ枠が無いことで目立たずにテキストの編集ができるというエディタ。 これも本来の使い方ではないが、ウインドウ上で自由な一に置いておける文字看板ソフトとして利用中。 たとえば「←このアイコンをクリック」などと書いて目的の場所に置き、プリントスクリーンをしたものを解像度と圧縮をかけてメール添付したり、印刷したりするだけでちょっとした緊急の手順案内が作れてしまうというわけである。
  • ほぼテキストブラウザ
    • Mat's studio
    • 見かけはメモ帳、だけど中身はブラウザ、な、テキストブラウザ。 本来はメモ帳に擬態してブラウズしても目立たないようにするという用途で使われるものだと思われる。Ylunchのデフォルトブラウザにこれをしてして使ったりすると便利だとおもわれるが、個人的にはそれよりも、コピペのしやすいブラウザとして多用させていただいている。いや、ほんとですよ?
    • 正直に言うと、たとえ業務に関係する調べ物でも、堂々とみるのは立場上、なんか微妙な気がするため、結構使わせていただいている。


 そのほかにもいくつかUSBメモリに積んで使わせていただいているソフトウエアがあるが、そちらは別にUSBメモリで使っているからと言って、なにか特別なことをしている訳ではないので省略するが、多くのフリーで公開してくださっているインストーラではなくアーカイブ(書庫)で公開してくださっているソフトは大抵USBメモリで持ち運んで使っても使うことができる。
 が、例外もあるので、条件をいくつか書き出してみる。

  • フリーソフトであること
    • シェアウエアや商用ソフト場合、対応を表明していない限り、レジストの関係があるのかそのコンピュータに固定されていて動かない。コピーしたとしても試用モードになったりする。
  • ZIPやLZHで配布されていること
    • これは例外として自己解凍書庫ファイルだったりするのがありますが、最近は結構手軽にインストーラが使えるせいか、以前は単なる自己解凍書庫だったのにインストーラーになっているものも結構ある。
  • マルチユーザーに非対応なこと
    • きちっとしたソフトウエアは、ユーザごとに設定ファイルを分けて管理しているものがあるが、これはマルチユーザ機能を無効にできなければ持ち運びには向かない。全コンピュータで同じユーザ名で使用できればいいが、そうでない場合がおおいからだ。すると、それぞれに設定ファイルができてしまったりすることになる。
    • また、こういったソフトウエアはきちっと環境変数をみて、Documents and Settingsを参照したりしてやっていることがあって、そういう場合には設定ファイルを格納できないので難しい。
  • レジストリは使いませんという表明があること、または「アンインストールはフォルダごと削除」であること
    • この表記があればまず間違いなくUSBメモリで使うことができる。

 これに該当する場合でも、その場合でも「シェル拡張」や「関連付け」といった動作は行わない方がよい。
 いずれも、個別にUSBメモリでの持ち運びに対応している場合など例外は多々ありますが、だいたいこのあたりで見分ければ、持ち運ぶことは可能なはずだ。

 また、基本的に使うことはできなくても、レジストリや、Documents And Settingsのアプリケーションデータをエミュレートすることで持ち運べるようにするためのソフトウエアを開発なさっている方がいらっしゃいます。(窓の杜の記事 ) ただ、ライセンスの問題があるので、自分としてはあんまり持って歩けそうなソフトはないんですけど……。

 あとお約束。これをみて何かするのは自己責任で。なんか自分の勘違いがあるかもしれないので、自己責任で。

*1:各種SDカードなどのフラッシュメモリ、シリコンメディアの類。MO,DVD-RAMなどランダムアクセスが可能な光磁気ディスク等でも可能だけれど、アクセス速度と、書き込まれる頻度、手軽さから言ってあんまりおすすめしない。

*2:業務や講義、授業にコンピュータを必要としない人

*3:端末によって、使えるCADの種類、バージョンが違う…さらにデータを共有したりするツールというか仕組み(コラボレーションツールとか言うらしい)が標準CAD(二次元)にしか導入されていないので、三次元CADはどうしてもでかくなりがち……場合によっては三次元形状のほかに、幾何学公差などの符号、CAM、CAEのデータもぶち込んである。その上、設計中というか検討中の間は、履歴ファイルは基本的に残しておくので、ちょっとしたモデルでも1GBは簡単に行く。 いまどきファイルの保存的にはそれほど問題はないのだが、これだけのデータをWindowsの標準のファイル共有機能だけで共有するというのはちょっと無理があるという状態に。ネットワークはお世辞にも早く無いし。さらに、それぞれの端末は共有端末なので、かってにおいそれと設定を変えることはできなく、とどめに、どの端末も基本的に一つのアカウントで運用されているため、ファイルのアクセス制御なども不可能だったりする。 解決する方法はいくつかあるんだけれど、偽造請負で働いている最底辺オペレータにはそんなことを言うことなどできないわけで…

*4:拡張機能の流儀に従わず、絶対パスディレクトリを見に行くやつとか……、xpiをActiveX的に使ってインストーラーを起動するものとか……メジャーな拡張機能の中にはそういうものはないので、ほぼないといっていい