高森太郎の日記。

高森太郎の日記です。

小野敏洋『ROOTねこねこ』

Rootねこねこ (電撃コミックス)

ROOTねこねこ

著/小野敏洋

発行/メディアワークス 電撃コミックス

『ここは、猫が人語を解する世界 かつては魔法文明が栄えていたが、魔法元素が減った今、今は見る影も無い、そんな日本の物語 - イントロダクションより
 サダノブは、旅の猫。 旅の途中で立ち寄った学校で、人間の少女と出会う。 彼女は気持ちよくねていたサダノブを乱暴に起こすと「わたしはネコになりたいの、ネコの国につれてって」「ねぇよそんなもん!」
 そして二人はなんとなく海へ。そこでひとしきり遊んだあと、嵐の夜。 どーんという音に二人は驚き、外にでる。そこには、シーサーペントの子どもが浜に打ち上げられているのを目撃する。
 「助けてあげよう!」そういう少女。そして人々の力をあわせて手を尽くすが……しかし、その甲斐も無く……。そして、夜……
 (第三話 ネコになりたい少女)

 『バーコードファイター』『甲殻機神ヤドカリくん』の小野敏洋氏、『ネコの王』の番外ストーリー、最新刊! であります。

 主人公はネコ。 そして世界は魔法で栄えた文明のあとに、弱まった魔法のを保管するように生まれた現代社会であります。ネコの王でおなじみの世界でありますな。
 が、ネコの王とは違うのは、あんまりえっちじゃないというところであります。が、これは、なんというかなぁ、旅と出会いがなんともすがすがしく描かれているのであります。

 自分はヤドカリくん、バーコードファイターからの小野敏洋氏のファンでありますが、やっぱり少年誌モードのときの氏の描くさわやかな登場人物と主人公、そして旅の感覚がすばらしくいい! それを改めて感じます。
 自分は数あるポケットモンスターのマンガ版のなかで一番すきなのが、おのとしひろ(ひらがなでした)版のポケットモンスターなのでありますが、そのときに、世界を旅する主人公っていうのが一番描かれていて、すごくよかったんであります。

 一番は、やっぱり主人公がちゃんと「旅になれている」って感じがあることであります。それで、無闇に田舎ばかり旅をさせたりむやみに「旅をしてますよー」といようなシーンを出さない、現代的な、いわば「バックパッカー」みたいな感じがいい。


 それから絵柄。やっぱり小野敏洋氏がかく、現代、ちょっと未来、ちょっと違う世界、っていうのはすっごくバランスがよくって……読者がそういうことを言うのはなんですが……ちゃんと「わかってる」感じがちゃんとあります。

 小野敏洋氏といえば、いわば「上連雀」よりなほうが最近多かったであります。自分はそっちのほうも大好きなんですが……そっちのほう、たとえば、G-onライダースのぱんつはいてないにとことんこだわったときとか、そういうのを主に知っている方でも、小野敏洋氏の絵が好きならば、おすすめしたいです。
 というか小野敏洋氏は両極端で行くべきではないかと思うんです。ROOTねこねこ的なものと、G-onらいだーす的なものと。

 なんていうかなー「甲殻機神ヤドカリくん」の小野敏洋氏が再びっ、という感じなのでありますよ。

評価は10中8.5。えー! 一冊のみかよっ。 残念だ……無理矢理でもいいので続きが読みたい。読みたいー!

 そういえば、復刊.comで甲殻機神ヤドカリくんが100票をついに達成いたしました。祝! というわけで復刊校章開始だそうであります。
 といってもまだまだなので、気になる方は投票をお願いします。

 すでに、原作であるSTUDIO ZODIACの方も同意っていうか応援していたし、小野敏洋氏はすでにバーコードファイターの例があるので、結構とんとん拍子にいくんじゃないかと期待しつつ。期待しつつー!