渡瀬草一郎『空の鐘の響く惑星で(10)』
長い旅の末、神殿勢力の盟主であるジラーハ、ウイータ神殿へたどり着いたフェリオたち一行。ここで、タートムとの停戦協定が結ばれるのである。 そして、ここはウルクの故郷でもある。
到着し直後に、ウルクのまた別の面を見て驚いた一行だったが、その翌日、フェリオは申請をしたわけでもないのに、神姫との面会が許される。神姫ノエル。彼女は、ウルクの姉でもある。 そして、フェリオが通されたのは、謁見の間ではなく、神姫の自室だった。そこでフェリオとウルクは、意外な、しかし避けては通れない人物とも、出会うことになり……。
到着し直後に、ウルクのまた別の面を見て驚いた一行だったが、その翌日、フェリオは申請をしたわけでもないのに、神姫との面会が許される。神姫ノエル。彼女は、ウルクの姉でもある。 そして、フェリオが通されたのは、謁見の間ではなく、神姫の自室だった。そこでフェリオとウルクは、意外な、しかし避けては通れない人物とも、出会うことになり……。
『陰陽ノ都』の“幼馴染作家”渡瀬草一郎最新刊。 10巻目。もちろん、氏の一番の長編シリーズ最新刊であります。
今回はタートムとの争いが終り、アルセイフからジラーハへと舞台を移し、次への動き、そして最後のためのためのイントロダクションという感じであります。 少しずつ明かされていく世界の秘密と新たななぞと……。そこらへんは、なんというか文章の安定感と共に、安心してわくわくできるというか、浸ることができる。
そして……前巻9巻は、大きな物語が最後に行くためのインターミッションでありましたが、あんまりフェリオたちがどう、という話があんまりなかったのだけれど、今回はまた、あらなた事件とのかかわりと、いろいろ書かれています。さて、どうなるだろうかと……。
さらに、新しいキャラクターも登場して、なんというか物語りはどんどん加速しているというかなんというか。というかなんでこんなにキャラクターが魅力的に映るのだろう。
以下、ネタバレ含む。
主要なキャラクターを除いて、結構キャラクターが入れ替わって大きく物語りが場面を変えた巻でした。次の巻で、ここでうまれた種が物語を形作るのだと思います。
評価は10中8.5。安定して出してくれる渡瀬草一郎氏だからこそ待てます。たのしみにしつつ。