高森太郎の日記。

高森太郎の日記です。

竹宮ゆゆこ『とらドラ!』

とらドラ!1 (電撃文庫)

とらドラ!

著/竹宮ゆゆこ イラスト/ヤス

発行/メディアワークス 電撃文庫


 高須竜児。目つきが悪い。凶悪に悪い。しかし普通の高校二年。二年初日。彼は自らの目つきの悪さから来るそのうわさに絶ち向かなければならないかと、「……また、誤解を解くところからはじめないといけないのか……」と、憂鬱な気分で学校へと向かう。

 だが、その心配はなかった。なぜなら竜児は、初日から瞳に襲い掛かる獣を宿した少女のすさまじき迫力に圧倒され、それに倒れたみなに認められたからだ。彼女の名は逢沢大河。人呼んで「手乗りタイガー」。
 しかしそれはひとつの大きな運命の、ほんの小さな発端にすぎなかった。

 ……人気のない放課後の学校。だれもいないはずの教室。 そこで“竜”と“虎”が邂逅するとき――


 ※注:この紹介はうそ大げさ紛らわしいが含まれています。ネタなのでこのあともちゃんと呼んでね(はあと


わたしたちの田村くん』の著者、竹宮ゆゆこ氏の最新刊。 凶暴だけれどちっこくて、わがままだけれど細くてほっとけない。そんな女の子と、とある理由から共同戦線をはったちょっと目つきの悪い野郎の物語であります。

 安心して読める「ラブコメ」風味っ。 とりあえずのーみそびろーんとしてほっこり笑いながらよめますな。とりあえずごろごろ転がりながらにやにやしながら。

 というかこれはまは帯「ヒロインは手乗りタイガー」の文句と、少女が手に小さな虎を乗せているイラスト。なんとなく意味不明だけれど、妙なオーラを放つこれに引き寄せられる、そういう感じでありますな。それを象徴するのは、カラーの口絵の一番最後。
『そんな手乗りタイガーをめぐる、愛と団欒の物語』

 文章も巧みで、乗りよく楽しいっていうか、孤独の独とに身と書いて独身とか、妙な言い回しっていうのがなんともたのしい。

 以下ネタバレ含む。

 なんというかゆるいっていうかこう、走るところは走る、ゆっくりのところはゆっくり、といった感覚がいい感じ。一番最後の「電柱を蹴る」シーンのあたりなんかもー。 なんというか結構ぐっときてしまった。

評価は10中8。続刊予定あり! だそうであります。たのしみにしつつ。