高森太郎の日記。

高森太郎の日記です。

今野緒雪『マリア様がみてる 薔薇のミルフィーユ』

 その日由乃は令に秘密である人と会う約束になっていた。その人とは……令の剣道の好敵手の姉妹の一番末、有馬奈々と。 そういうわけで準備して出かけるところまでいっていた由乃は、両親に、とんでもないことを聞かされる。
 今日、令ちゃんはお見合いなのよ、と。
 たしかそんなことを聞いたような覚えもあった由乃だったが……令ちゃんのことが気にかかりながらも奈々との待ち合わせ場所について、ぽろぽろとこのことを話す。すると奈々は「わかりました。行きましょう」などと言い出し……!(黄薔薇パニック 他二編)

 マリア様がみてる シリーズ最新刊。7月発売コバルト文庫新刊。紅白黄、それぞれの短編三作収録……短編みっつだけどそうであるようなないような。

 今回はもしかしたら次に来る大きな話……妹をどうするかとか卒業とかそのあたりの話の前に、最後の日常編といったところであります。自分はこういうのんびりとした日常というかな、いつもの日々なのだけれど、だけれどちょっとしたハレの日、みたいなそういう感じのがすきという人間でありますから、なかなか。

 今回の主役は黄薔薇由乃さんでありまして……なんというかいいコンビ。なんというか時の流れに楽しみなものが出来たという感じでありまして。

 そして紅薔薇は……以下ネタバレ含む。

 なんというかかの方の本心と共に……なんというかな、ちょっと切ない。上で時の流れに楽しみが、なんてかきましたが、こっちは先を予見させてなんというか切なくなる。
 これを読んではじめの頃の“彼”の行動をちょっと考えて読んでみると、なんともはや……はてさてどうなるのだろうか。

評価は10中7。次はおそらく……!