高森太郎の日記。

高森太郎の日記です。

伊達将範『ダディーフェイス メドゥーサ(4)』

『ダディーフェイス メドゥーサ(4)』

著/伊達将範 イラスト/西E田

発行/メディアワークス 電撃文庫

 元の世界への扉を再び開くためのリターンワードを入手した鷲士と美沙。 しかし、その前にはギヨームが立ちはだかる。鷲士は拳を振るいギヨームを追い詰めるが、そのときギヨームは……
 そのころ、別行動をしていたジョアは、一緒に行動している麗華の様子がおかしいことに気付く……。

 年の差9歳!な父娘のやたらとスケールの大きな失われた財宝を探すトレジャーハントの話、第7冊目、メドゥーサ編、完結です。

 今までに無いスケールで送る!などとでっかくかかれてますが、それでもやっぱり中心はあの父娘……と、あと麗華おばちゃん(ぉぃ が。さらに、美沙の双子である鷹士の息子、樫緒と、瑠璃人とのやりとりが。
 さらに……なんだ、美沙とデイモン、じゃないか、とか(ぉ なんというか、彼、007のジェームズボンドをもうちょっと下品にして、そして初期の頃に陰謀に巻き込まれて失脚したらこんな感じになってるかも、みたいな(ぉぃ
 あ〜、続き物だけに、書くとネタバレばっかりなので、以下ネタバレ含む。

 なんというか、麗華のあの状況での独白というか、そういうのがなんか結構リアルに感じたり。それと同時に樫緒と瑠璃人の喧嘩というかあれも、尋常じゃない人外な能力をつかって喧嘩しているのに、理由はそれこそ、ふたつのところのいさかいがどうの、とかそういう理由じゃなくって、普通に喧嘩しているあたりがなんかいいな〜とかおもったり。なんか二人が将来お互いに補佐しあいながら喧嘩しあいながらやるあたりが目に見えるような。
 そのくせきれいなおねえさんに言われると素にもどる普通の少年というあたりがなんとも。
 そして「チンポインポ」はアホだ。嘲笑って美沙よ。(笑)。

 なんだかんだでものすごくスケールが大きくなっても、キャラクターそれぞれはちゃんと自分のことを考えているあたり……世界の人々のためにXXXを犠牲にするとか、悩みがいつの間にか無くなっているとか、そういうところが無いのがいいかんじ。、

 しかし……メドゥーサ編以外のダディーフェイスって3巻なので、この巻でメドゥーサ編が半数以上をしめたわけでありますな。そしてメドゥーサ編は完全に続き物なのでありますので……正直、ここにきてやっと「メドゥーサ編もあるから読んでみてよ」ってすすめられる感じか。リアルタイムで追ってきた自分は……足掛け2年とかになるのか?もっとか? ぐらいかかって、新刊がでるたびに前までを読み返したりとか……そして、やっと完結。
 しょーじき……やっぱりちょっと長くって、しかも完全に続いているので読むのに体力がいるというか大変でした。(^^;) あと、前のキャラクターが出てきたのはうれしかったのですが、とくにスプレイといづなさん一巻だけぽこっと読んでも大丈夫!というのがなくなったのはちょっと残念かなっておもったり。
 いままで劇場版やOVAで作ってきたものが、テレビシリーズをはじめたような、という……微妙なたとえですがそういうのがしっくり来る感じ。

 あとがきで伊達氏は「フェイスならば」とおっしゃってますが、なんとしても続きを書いてください! ここまで広げといて終わり!ってことはないように……。
 今度は一巻で終わる話を書いてほしいなぁ……。

評価は10中7。といいつつ、クールダウンとかも好きだったり。続き希望!