高森太郎の日記。

高森太郎の日記です。

高瀬ユウヤ『青く澄んでいく、この恋いも未来も 1stソーサレス』

青く澄んでいく、この恋も未来も ―1stソーサレス (富士見ファンタジア文庫)

『青く澄んでいく、この恋いも未来も 1stソーサレス

著/高瀬ユウヤ イラスト/放電映像

発行/富士見書房 富士見ファンタジア文庫

 渉は、女子高生にして、親友であり居候しているところの主である友くんの「運命の少女」を探してあちこちの女の子に声をかけたりしていた。 「友情保存会」などという妖しげな団体をつくったりしているが、わりと普通である少年、友はそれにちょっと振り回され気味だったけれど、なんとなく一緒に住む日常をすごしていた。
 しかし、渉は、友に隠している大きな事実があった、それは……

 11月発売富士見ファンタジア文庫新刊。

 イラスト!放電映像! な本であります。ええ、ぶっちゃけそれだけで買いました!あはは。が、しかしこの本に関してはそれが非常に良かった。
 とりあえず、本自体は地味であります。が、同時に、とりあえずはじめに情報をいれずに……自分的には無いように合っているとは思えない折り返しの文も読まずにいきなり本編を読み始めてしまうことをお勧めします。てか、ぶっちゃけ無意識にかなり知らないほうがいい(読んでから読むとたぶんいろいろちがう)ことが書いてあるのが結構ありますので、とりあえずそこら辺の情報はいれずに。

 一番最初はなんだか良く分かりません。なんか渉には秘密がありそうで、あたりまえに「能力」を使うけれど、しかしよくわからなくって……。そしてなんか妙にテンションが高くって、なんとなくむずむずする感覚があるのだけれど、それが……最後のほうにうわ〜。

 なんとなくこう違和感がある、それが最後の盛り上がっていく仮定で、かちり、とはまる感じ。直接は書いて無いんだけれど、あるときを境に、ふっとわかる。それがすっごく美味くって、なんかこう、そのぐっときます。
 なんかすごく切ない……

 以下ネタバレ含む。

 そして、“彼”はいったいどう思っていたんだろう。そして、渉るにはなんとなくそういう予感があったんじゃないだろうか、とか思う。
 そして、最終的に、“どっち”かどうかわからないようになっていたけれど、自分は……OZのことを知っていた彼女じゃ無いかと思ったり。 ……といいつつ、わからない、ということなんだろうけれど。

 放電映像氏のイラスト! は、……なんというかえっと何か足りない……あ! 耳だ! コードだ!(ぉぃ というわけで、放電映像氏のコードかヘッドホンか耳がない珍しいイラストであります(ぉぃ が、やっぱり美しいというか。だからって小説がそれに頼っていないというのもなかなか。

 また、かなり一冊で完結している感じ。

評価は10中7.5。イラストレーター買いは結構初めてぐらいだったけれどなかなかよかった。結構おすすめであります。なんかじーんときた。