高森太郎の日記。

高森太郎の日記です。

木村航『ぴよぴよキングダム』

ぴよぴよキングダム (MF文庫J)

ぴよぴよキングダム

著/木村航 イラスト/竹岡美穂

発行/メディアファクトリー MF文庫J

 地球に向かう三つの光る物体。 それらは、地球に落ちて……。
 高校生である森山拓は、朝目を覚ますと……頭の上にひよこが。そして、ひよこは人語を話し、自らをワープを繰り返してやってきた高次元生命体で、地球には恋をしに来たという。なんだかよくわらかないまま、冗談じゃないと決闘(?) などをしているうちに、空にはヘリコプターが舞い、周りには人だかりで、すでに冗談じゃなくなっていた! そして、その話から逃げるようにとりあえず頭にそのひよこ、ピックルを乗せて、学校に向かうと、そこには、少々変わり者で知られる少女、あかりと、それとともにいる、ピックルの愛しき君、チュルリラ姫だった。 急に近づくピックル。しかし、その瞬間あかりの目がぎらりと輝き、右手が一閃、いきなりピックルは叩き落された!?
 そして、恋敵、ブラ麿も現われ……。

 『ぺとぺとさん』の木村航氏の最新刊。 なというか……ラブコメ? いや、純愛物語。 10月発売のMF文庫J新刊。

 なんというか……自分の近くに現われたひよこと、なんだかんだ行って恋の手伝いをすることになるというお話なんですが……しかし、相手にも同じようにパートナーがいます。そしてその少女は……えっと……こう、真の強い……よ〜するに、ぶっちぎれな喧嘩っ早い女だったというわけであります。

 そしてはじめはあ〜、ラブコメ路線化と思いますが……すこしづつ、すこしづつ近づいていって、そしてお互いに、心を通わせてゆきます。そしてなんというか……やっぱり、木村航氏は、やさしい話を書きます。やさしいけど現実的で残酷、みたいな。なんというかほろほろっときました。

 てか、いい娘じゃんか、あかりさんは……。そして、自分はその母親もなんかいい人だって思います。いや、なんかすごくぐっときちゃったり。

 なんというか、帯の様子だとあんまり良くわかんない感じですが、結構ふわっふわで、ちゃんと純愛、恋愛してます。もちろんコメディ風味も、それ以外も。


 以下、ネタバレ含む。

 そして……最後のほう。あ〜。なんというか、こういう展開になるか、と。結構SF風味が。というかこれたぶん、今夏何時だけれど、あの部分をもっと濃くすると、かなりハードなSFまで持っていけただろうという感じがします。だけど、それをふわり、ってこうしたかんじがなんとも……。
 高次元生命体がひよこ、というのもなんだか不思議でふわふわってかんじです。

 それからあとがきに、某お方のお名前を発見して、関係ないのにちょっとにやにや。

評価は10中8.5。これは完結のもようでありますが、次回作も!たのしみにまつことにいたします。