朝日新聞27面、文化欄に、ライトノベルに関する記事。
さて次の企画はさまの「ライトノベルを巡る言説」を拝見し、え?朝日新聞にライトノベルの記事が? というわけで、探したら出ていました。
記事は、2004年10月21日付け、つまり本日付の朝日新聞朝刊。文化総合、27面、「文化」:の欄である。「トレンド 「ライトノベル」解説書が人気 正当な評価の第一歩となるか」と題している。
というわけで、以下リード文引用させていただく。
ライトノベルと呼ばれる小説ジャンルを一望する一冊の解説書が好調に売れている。いわゆる文学好きからは無視され続けているジャンルだが、90年代から、出版ビジネスの大きな一角を占め、作家や読者の育成の場になっている。正当な評価に向かうのだろうか。
というのだそうでありまして、『ライトベル完全読本』の好調さから、ライトノベル全体を見る、というような記事構成になっている。記事は、ライトノベル完全読本を読んだ人には当たり前のないようでありまして、それほど言うべきことはないが、これが日本国有数の新聞の文化総合欄に、小さいとはいえない大きさで乗ったというのはなかなか。
まぁ、「一望する」というのはどうかと思うが。完全読本は完全読本の方向にとがっているから。一望なんてしただけじゃ、あんなに読み応えがあり、興味深い読み物にはならなかっただろう。
あと、作家と読者の育成の場か。そういわれればそうだなぁ、多分自分もライトノベルを読むようにならなければ、こんなに本を読んだかどうか……。
ちなみに、写真にもライトノベル完全読本とともに数冊のせられていて、それは右奥から。
……うーん、こうやってならべると、二冊並んでいる『十二国記』と『空の境界』がいかに巨大な存在かと言うのが分かる。が、ふれられているのは、メフィスト賞出身作家のほうに大きくフューチャーされていて……てか、どうして5位が名前が挙がっていて、一位が、写真はともかく、記事中に名前すら出ていないのかがいまいち不明というか、これじゃああれである。阿智太郎氏など、ライトノベルを着実に支える人気作家はやっぱり評価されることは無いということになりかねんなぁ、とかちょっと思ったりする。というか完全読本にスポットライトをあてるなら、一位にもちょっとふれろよ。てか、なぜ五位だけ……いや、あっちのほうがこう、出やすいのは分かるが、そのほかを無視したって、それはただ、今のライトノベルから理解しやすい部分を引っぺがすだけで……あ〜。まぁ、わかりやすく記事にしているのだろうが、しかしなぜ西尾氏か。あれはライトノベルのメインストリームじゃないぞ、どう見積もっても。どちらかというと、俗に言う、ライトノベルと一般との関係における「中間小説」というやつだろう。
なんか、ちょっとだけ、「文学好きから評価されるライトノベル」と「無視され続けるがファンは読み続けるライトノベル」とふたつに分かれる気がする。なんか近い将来……。あ〜、そうなったらどうなるんだろ。その次点で購買層のアンケートをとると……。そうすると、現代のエンターテイメントの世界の小説が、ごっそり「文学好きから評価されるライトノベル」にいれかわって、「無視され続けるがファンは読み続けるライトノベル」は、今のライトノベルのポジションに……。いや、そんなわけはないか。たぶん。
また、ライトノベルの賞のようなものの創設したほうがよい、という話も。たしかにそう。といか、これってやっぱり、外から見ると、ライトノベルってわかりにくいんだと思う。それを照らす明かりのひとつとして必要だ。なんだかんだいって好き嫌いが激しく出る本も非常に多いし。
つくるとしたら、完結したときをもって賞を出す、というような方法にし、その後続へが出てもそれに関しては賞は出さないというようなことにしないと……どちらかというと賞はマンガの賞の方式に近くなるか。だけど、主な読者層であるとされる、中高生がどれだけ賞でなびくか、というのはどうか、というのがあって、実際に出版している会社でやりたがる会社はあるのだろうかと思うが、是非どこかやってほしいなぁ。
しかし、ライトノベル完全読本はすごい。今日本屋さんでは、また増えてた。前から置いてあったライトノベルのコーナーの一角の平積みのほかに、雑誌コーナー平積み、実用書コーナーにも。てか、出てから結構たつよなぁ。
2巻目もきまっているそうであります。たのしみにまちつつ、これからたくさん出るという話をあちこちからお聞きし、財布を心配しつつ……。
しかし、こうして下地はととのったが、ここからどーんと出て行くようなブレイクスルーになるような作品は何になるだろうかとか、つれづれと、きっとそろそろ出てくるだろうなぁ、とかいろいろともんもんと期待してみる。
だって、なにかがブームになるときって、こうしてファンが「あの新聞の記事は甘い」とか「偏っている」とかって話すものだし。そういうのがでてくると……あ〜。いろいろ。
そうしたときに、不安とかきたいとかいろいろ。
しかし、ライトノベルがここまですごくなるとは。なんともうれしかったり。