高森太郎の日記。

高森太郎の日記です。

JASRAC問題……についてぐだぐだと雑感してみるが……

 なんか最近、スラッシュドットジャパンの新しいストーリーに、『「着うた」配信で公正取引委員会が立ち入り検査』があって、そこはやっぱり/.Jらしく……といってはアレだけど、おおむねJASRAC叩きである。

 で、自分はあんまり経緯を知らないため、よくわからない。が、輸入CDのことについては、JASRAC叩きについてはわかるのだが、どうしてCCCDや今回の着メロのことについてまでJASRAC叩きが起こるのかがよくわからん。そもそもなにゆえにJASRACがたたかれるのか、と思っていろいろと検索してみる。
 というわけで自分なりにまとめてみる。

  • JASRACの問題点。
    • JASRACに信託すると、作曲した本人ですら曲を演奏するのにお金が取られる。コメント欄にてご指摘いただきました! ちゃんと手続きを踏めば取られないそうです。ご指摘ありがとうございました!
    • 統計処理の関係から、少しずつ長く売れる楽曲のほうが分配金が多い。現代型のヒット曲は売れる量に比べて分配金が少ない(曲ごとにしているのではなく、サンプリングしたデータを元に分配している)。
    • 使用料を著作権者が設定できない。(この曲は金がかかったけれど一部の人しか見ないから、使用料金を高くして〜とか、ネットのBGMとかでばんばんつかってほしいからただ同然にしたい、などができない)
    • 信託した場合、JASRAC以外に著作権料支払いの窓口を設けられない、契約もできない。
    • JASRACの手数料が高すぎる。
      • 別にJASRACをもうけさせるためにかねだしてんじゃねえぞ!
      • 私はアーティストのためにお金を出しているんだ。etc
    • 既存の利権を守るために組織が硬直化していないか。
    • 事実上著作権管理について独占的な立場にあり、あまりにも大きくなりすぎて、影響がバカならなくなりつつある。公正な競争が起きていない。ロビー活動などが行われると消費者に比べて声がでかすぎる。
    • 時代遅れのシステムを全てに対して求めているため、あたらしいメディアに対応できていない。(個人が自分のページでBGMに使う、といったことが、基本的に考慮されていない)
    • などなど
  • JASRACの利点
    • 一括で支払いができるため、簡便である。
    • すべて同じ料金のためわかりやすい
    • 著作権者(レコード会社ではない)は窓口を一括化して、わずらわしい事務から開放され、創作活動に徹することができる。
    • JASRACに入っておけば、自分が矢面に立つことなく著作権の権利拡充や権利確保をJASRACが行ってくれる。
      • これに関連する事柄で、事実上JASRACに加入していないアーティストの楽曲がテレビなどで使用されても、あまりに影響力が少ないため、支払われない、などが起きている、と言う話がある。(これはモラルの問題でJASRACの副作用ではあるがJASRAC自体の問題ではない)
    • などなど

 さて、こうしてみたところで、自分の少々動きの鈍い頭はよけいに混乱した。まず、すげえ量が多くて限定的なところしかみれてません……。

 とりあえずネット上ではJASRAC=悪みたいな論法をしているが、あれって場合によっては著作権者の盾になって権利を訴えている、みたいな風にも取れる。さらに、いやならJASRAC以外の著作権管理会社もできており、結構メジャーなアーティストであちらに移している人も結構いらっしゃるし、移ると言う手もある、らしい。(といっても、事実上、JASRACが独占している状況で、契約上の問題だとかいろいろあり、外に移ることは難しい、というのも同時に乗っていた)

 そして、議論を見る限り、著作権全体の権利強化と、私的利用の範囲を狭めることに対する反発と、デジタルメディアに対する偏見を持ち、そして問題点だけを見て新しいメディアに対応し切れていない愚鈍さ、について批判しているところが多いようにみえる。

 たしかに、近年の、PC用のCD-RやDVD-Rなど各種メディア、さらにはHDDにすらデジタルコピーの保障料を加算させようという動きがる、とか、そこらへんはやりすぎだよなぁ、と思う。画一的過ぎる。んなこといったらそれこそ大容量のデータをあつかうところなんかかなりバカにならない額になる。というか「記録できる可能性があるから全部取ろう」などというのはばかげていて、本がコピーされる可能性があるからコピー機に保証金を、とかそれぐらいばかげた話に見える。
 さらに、近年過剰な取立てが目に余る、といったこともネットで多数見る。


 が、逆の方向から見ると、権利者が権利を叫ぶのは、当然のことであるように見える。現在の流れでは、一部の人々によって違法コピーが流通し、それが影響があるにせよなしにせよ、巨大化していけば大きく市場を圧迫していくことは間違いないわけで、その流れを止めるために権利を叫び、さらに新しいメディアに対しては「権利をさけび、いままでと同じことしかできないようにする」ことで対抗した。(ように見える)これって、JASRACが叫ばなければ誰が言うか、と言う話になる。権利者として当然の権利で、そこが言わなければずるずるとなっていた可能性は捨てきれない。と思う。


 と、意味もなくぐだぐだと考えていたら、結局JASRACが権利を叫ぶのは当然であり、しかしそれを反対するの当然、というわけのわからない結果になった。
 ようするに自分的に結論が導き出せなかったと言う……だけど、一消費者としては、JASRACの抱える問題が解消されることで、オンライン音楽配信が可能になり、その上で菅野よう子の「NHKスペシャル 中国十二億人の改革解放」のサントラなんかが買えればうれしいなとはもうが、これって結論と言うか意見じゃねえし。あ〜どうなんだろう。わけわからん。